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リポバッテリーと充電の基礎知識

はじめに

ドローンやラジコン飛行機、ヘリを飛ばす際に使われるリチウムポリマーバッテリー。
電動機のそのほとんどが、今ではこのリポバッテリーと略されるバッテリーを使って飛ぶようになっています。

このリポバッテリーは燃費が良く、パンチ力もあるのでドローンやラジコンには最適なバッテリーですが、使い方を誤ると発火する危険性もあります。最近のリポバッテリーはどれも高性能で優れた出来のものがほとんどですが、取り扱いには正しい知識が必要です。
そこでここではリポバッテリーと、それを充電する充電器について紹介していきたいと思います。
①:リポバッテリーとは...

正式名称はリチウムポリマーバッテリーと言います。バッテリー内部は電解質が準個体状態となったものをアルミラミネート袋で覆っており、小型で軽量ながら高い放電能力を持ち、2000年代中盤からドローンやラジコンで頻繁に使われるようになりました。
リポバッテリー自体は取り扱いを間違えなければ安全なバッテリーですが、不具合が起こったバッテリーは絶対に使用しないようにしましょう。不具合の見分け方は、主にリポバッテリーそのものが膨らんでいることで判別できます。少しでも膨らんでいるリポバッテリーは使用を中止して、泡が出きるまで塩水に浸けて、その後は各自治体で定められた方法で処分するようにしてください。

また、リポバッテリーは普段は耐火性の入れ物に入れて、直射日光の当たらない場所で保管するようにしましょう。その際に、コネクターがショートしないように、コネクターにカバーを付けるのを忘れてはいけません。さらに保管時は満充電ではなく、充電器のストレージモードを使って50-60%程度の容量が充電された状態で保管するのがベストです。
リポバッテリーの使用時は、必ず使用前に十分に充電されているか電圧をチェックし、されていないようであれば満充電にしてから使用するようにしましょう。また、充電がゼロになるまで使い切ってしまうとリポバッテリーは壊れてしまいます。20-30%残しで使用をやめることが大切です。
②:充電器の種類
現在、ドローンやラジコン界で使用されている充電器の種類としては「マルチタイプ充電器」というのが主流となっています。これは業界で使用されているほとんどのバッテリータイプに対応したもので、ニッケル系バッテリーであれば「ニッカド(ニカド)」「ニッケル水素」であり、リチウム系バッテリーであれば「リチウムポリマー」「リチウムフェライト」「リチウムイオン」「ハイボルテージリチウムポリマー」等、さらには「鉛蓄電池」にも対応しているものも多くあります。

さらに、機能的には「充電」の他に「放電」をおこなうことができるものがほとんどです。そして、充電の中では「トリクル充電」「サイクル充電」「バランス充電」「STORAGE充電」「FAST充電」などの充電モードを選ぶこともできます。
これに対して、バッテリータイプごとの専用充電器というのがあります。専用充電器の良いところは、面倒な設定なしに充電することができることです。中にはバッテリーを充電器に接続するだけで充電が開始される製品もあるが、それらは小型機用バッテリーの充電に適した充電器が多い傾向にあります。
③:充電時に必要な設定について
ここでは充電を開始するまでに必要な設定を紹介していきたいと思います。まず、最初にバッテリータイプの設定です。
マルチタイプ充電器の場合、多くの種類のバッテリータイプに対応しているため、充電しようとするバッテリータイプを決める必要があります。この理由は、バッテリーはそのタイプにより1セルあたりの電圧が異なっています。
たとえば、リポバッテリーの場合は1セルの公称電圧は3.7Vとなっていますが、同じリチウム系バッテリーであるリチウムフェライトの場合は1セルの公称電圧は3.3Vです。
さらに最近流行のハイボルテージリポバッテリーは公称電圧が3.8Vとなっています。さらに、ニッカドバッテリーやニッケル水素バッテリーでは1セルの公称電圧が1.2Vとなっています。これにより充電器は充電電圧や充電方式を変更する必要があります。

次に、充電しようとするバッテリーのセル数を設定します。これも充電器としては充電電圧を変える必要があるためです。
そしてもう一つは、充電電流値の設定である。これはどのタイプのバッテリーの充電でも、1C充電以下の電流値で充電することが望ましいとされています。これは安全に充電するための一つの条件となります。
他にもいろいろな設定をおこなうことができるようになっており、ユーザー好みの充電をおこなうことができるようになっていますが、そのあたりの設定は各充電器の取扱説明書を熟読して理解しておくようにしてください。
④:1C充電とは

充電電流値を設定する場合、必ずこの1C充電という言葉が登場します。これは、充電しようとするバッテリーの電流容量値に合わせた充電をおこなうことを指します。
たとえば、充電しようとするバッテリーの電流容量値が2600mAhであったら、その1C充電電流値は2.6A(2600mA)となります。よって、充電器の充電電流値の設定は2.6A以下に設定します。

このようにバッテリーの電流容量値により1C充電の充電電流値は変わります。これはそのバッテリーのセル数には関わりなく、あくまでもバッテリーに表記されている電流容量値で決まってくるものとなります。
⑤:セル数とは?

バッテリーは単三型とか単四型といったような1本の形をしたものがありますが、これを1セル(cell/セル)と言います。このように1本のバッテリーもありますが、それを何本か直列あるいは並列に重ねたバッテリーを使用することがあります。直列に重ねたバッテリーの場合は必要な電圧を確保する目的であり、並列に接続する場合は必要とする電流容量値を確保するためです。

ドローンやラジコンの場合、バッテリーのパックはそのほとんどが直列に接続されたものです。たとえば、リポ3セルといった場合、リポ1セルの公称電圧が3.7Vであるので3セルで11.1Vとなります。これは12V前後の電圧が必要な場合にこの3セルバッテリーを使用することになります。
このセル数の設定もマルチタイプ充電器では必要となります。充電器にとっては充電電圧が異なってくるためです。
⑥:最大充電電流と最大電力について

充電器のスペックを見ると必ず最大充電電流と最大電力が表示されています。最大充電電流は単位が「A」で表示され、最大電力は「W」で表示されているはずです。
たとえば、最大充電電流が7Aで最大電力が50Wの充電器を使用している場合、この充電器で最大充電電流の7Aで充電できない場合があります。
それは6セル(22.2V)のリポバッテリーをこの充電器で充電しようとしたとき、机上の計算では最大で2.25Aの電流値でしか充電することができないことになるからです。これはもちろん机上の計算なのですが、それは次の式から計算できます。

W(電力)=I(電流)×E(電圧)

であるので、この式を展開すると、

I(電流)=W(電力)÷E(電圧)

となります。
この式に数値を当てはめると、6セルバッテリーの場合は最大充電電流値がスペックにある7Aとはならないのです。
ここで重要となるのが最大電力であることが分かるはずです。つまり、充電器を購入する時は、最大充電電流値も大きな要素となるが、最大電力が重要な要素となることが分かるはずです。
最近のマルチタイプ充電器は最大電力が300Wとか400Wというのがあります。これならば大型機用のバッテリーの充電での余裕でおこなうことができます。スペックは充電器を購入する時の大きな要素となることを覚えておいてください。

⑦:バランス充電について

最近のマルチタイプ充電器には必ずと言ってもいいほど「バランス充電」という充電モードがあります。これは2セル以上のバッテリーを充電する時にオススメしたい充電方法です。
ただし、この充電モードを使用することができるのは、バッテリーにバランス充電コネクターが付いていることが条件となります。

この充電モードは各セルの充電電圧をほぼ均等に充電してくれます。これにより、そのバッテリーの持つスペックをフルに引き出すことができるようになるので、2セル以上のバッテリーではこのモードで充電することを習慣としましょう。

⑧:ACとDCについて!

意外と知らない方が多いのが、この「AC」と「DC」という言葉の意味です。ACとは「alternating current」の略であり、交流と言われるものであり、代表的なのは家庭のコンセントから出ている電流のこと。時間とともに極性が変化する電流となります。
これに対してDCとは「direct current」の略であり、直流と言われるものである。代表的なのが電池です。時間が経過しても極性が変化しない電流になります。

最近の充電器はACを電源として使用することができる製品が多くリリースされています。これは大変便利で、充電器を働かせるための電源を別に購入する必要がありません。このような充電器でも通常、DC入力端子はあります。これは飛行場など屋外で使用する時にこの端子から電力を供給するためにあります。飛行場などでは車のバッテリーを電源として使用することがありますが、この場合、DC入力端子を使用することになります。

⑨:充電事故を起こさないために

充電とはエネルギー交換ですので、当然熱が発生することになります。この熱が許容範囲である時はいいのですが、時に異常な高温となることがあり、充電事故につながる可能性があります。

異常な高温になる原因はいろいろ考えられますが、最も多いのが充電器の充電設定ミスです。バッテリータイプの選択を間違えたり、セル数を間違えたり、充電電流値の設定が間違いだったりすると充電事故になる可能性があります。
また、充電中にバッテリーのショートだけは絶対に避けるようにしてください。ショートさせた瞬間に多大なる電流が一挙に流れ、バッテリーのケーブルが溶けたり、バッテリーそのものが破裂したりするためです。
バッテリーのショートで多いのが、充電器に接続するバナナコネクター部分がむき出しになっていること。バナナコネクターの部分が触れると、それでショート状態になります。バッテリーをバナナコネクターの付いているケーブルに取り付けたままにしないようにしましょう。

⑩:まとめ
ここではリポバッテリーとその充電について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?バッテリーや充電は正しい知識を持って使えば決して危険なものではありません。ぜひ今回の内容を覚えて頂き、楽しいドローンライフ、ラジコンライフを送って頂ければと思います。

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