DJI「Mavic2」で味わえる新感覚の空撮体験

8月末に発表されたDJIの最新機「Mavic2」も、そろそろユーザーの手に渡り、その評価がSNSなどで拡散され始められるようになってきたころでしょう。この高性能ドローンは、従来「PHANTOM」シリーズなどが担っていたハイアマチュアやプロの現場での空撮についても対応できるほど、多機能かつ安全性が高く、今後の空撮用ドローンのスタンダードとなっていく予感させさせるほど、エポックメイキング的な存在であると言えます。

今回はそんな「Mavic2」の数々の性能の中から、「空撮」の部分に的を絞って紹介していきたいと思います。これまで人類が味わったことのなかった、新感覚の空撮体験がいとも簡単におこなえてしまう「Mavic2」の実力をしっかりと見ていきましょう。

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①機種によって異なるカメラスペック

「Mavic2」にはカメラの違いによる2機種がラインナップされています。ひとつが「Mavic2 Pro」で、もうひとつが「Mavic2 Zoom」です。この2機は、ボディについては共通の仕様となっており、その違いは前述したようにカメラスペックだけです。

「Mavic2 Pro」は、DJIが2017年に買収した、スウェーデンの老舗カメラメーカーであるハッセルブラッドが開発した最新のもので、小型のドローンに取り付けられたカメラとしては驚異的な、1インチ2000万画素対応CMOSセンサーを搭載した超高性能カメラとなっています。カメラ前方のスクエア形状がいかにもハッセルブラッドを意識したものとなっていますが、このカメラの特徴としてはやはり1インチのCMOSセンサーでしょう。前作と比較して4倍となった有効検知範囲によって、従来よりも多くの光を取り込むことができ、さらにセンサーが大型化したことで、照度の低い場所でも性能を発揮することができるようになっています。さらに、ISO感度の設定範囲も拡張することに成功しており、上限値が前作の3200から12800まで一気にアップしていることも見逃せません。

また、動画に関しては、4K 10-bitハイダイナミックレンジ(HDR)に対応しているため、正確な色の反映と明るいハイライトと美しいコントラストを愉しむことができるのも、マニアには嬉しいところ。また、絞りもF2.8〜F11と幅広い設定ができるので、あらゆる環境下で、美しい画質で撮影することができるのも特徴です。

これに対して、「Mavic2 Zoom」は、マニア待望の24〜48mm光学ズームカメラを搭載。こちらのCMOSセンサーには、1/2.3インチ12MPセンサーを搭載しており、デジタルズームと合わせると最大で4倍までズームできることになります。

このズームは従来機とは異なった空撮体験をおこなうことができます。まず、なんといっても被写体に機体を近づけなくていい点でしょう。対象物によっては、ドローンを近づけたくないもの(建築物や自動車、動物など)も多くあります。しかし、「Mavic2 Zoom」ならば、これまでのように機体を接近させなくても、ズーム機能を活用して、被写体を遠くから捉えることができます。取り付けられているカメラは、広角から中遠望での撮影が可能でダイナミックな奥行きを活かした撮影ができることでしょう。

また、被写体に近づかないでも撮影できるということは、安全性の意味でも格段に向上したと言えます。より安全でスマートな空撮をおこなうために、このズーム機能を重宝するマニアやドローンオペレーターも少なくないでしょう。

ズームカメラとなると気になるのがフォーカスです。正確かつ素早く被写体を捉える必要がありますが、フォーカス速度は位相差検出とコントラスト検出を組み合わせることで、前作より最大で40%も早くなっています。しっかりと遠くからでも被写体を捉え、クリアでシャープな撮影ができることでしょう。

このように、目的や使い方、撮影シーンによってどちらを使うか検討できるのが、今回の「Mavic2」の良いところ。スキルや経験だけでなく、撮影シーンや用途に応じて機体を使い分けることで、幅広いユーザーにアプローチできるようになります。

②高精度のハイパーラプス機能を愉しむ!

ここからは「Mavic2」の撮影モードについて見ていきたいと思います。まず、注目すべきは強化されたハイパーラプスでしょう。抜群の安定を誇る「Mavic2」は、ボタンをタップするだけですぐに空撮が始まり、撮影した映像は自動で処理され、きれいなハイパーラプスが完成します。さらに撮影モードには「フリー」「サークル」「コースロック」「ウェイポイント」の4種類を用意。自由に機体を制御できる「フリー」だけでなく、被写体を中心に周囲をぐるぐる回る「サークル」、さらに飛行のコースを固定して撮影する「コースロック」や、ポイントを定めてその間を行ったり来たりする「ウェイポイント」と使い分けることができ、これによって非常に手軽に美しいタイムラプスを撮影することができます。

③一度は味わってみたい新感覚のドリーズーム!

「Mavic2 Zoom」のクイックショットに搭載されている「ドリーズーム」。このモードは、あらかじめ選択しておいた被写体から機体がバックでどんどん離れていきながら撮影するのですが、被写体とは別に後方の背景が歪んでいくような不思議な撮影をおこなうことができ、機体は撮影後自動で手元まで帰還します。特に被写体の後方の背景が開けて距離がある場所において、このドリーズームを使うと、後方の背景が歪みながら迫ってくるような映像を簡単に撮影できてしまいます。これまでの空撮とは一味違った映像を愉しんでみてはいかがでしょうか?

④狙った被写体は逃さない!アクティブトラック2.0

DJIのアクティブトラックが最初に搭載された時、その高性能さに驚いたものですが、なんと「Mavic2」では新たに2.0に進化して搭載されています。2.0になって変わった点は、「正確な認識機能」「軌道予測機能」「高速トラッキング」そして「障害物回避」です。狙った対象物をカメラと2台のビジョンセンサーで正確に認識し、対象物を離しません。また、対象物が物陰に入ってしまった時も、機体がその動きを軌道予測アルゴリズムで予測することで、被写体を追いかけ続けます。

さらに、最大時速72km/hで飛行ができるので、高速の被写体もしっかりと追尾できます。最後に、追尾して撮影する際も、3Dマッピングをしながら飛行することで、障害物を回避しながら、撮影を続けることができます。このように、ひとつ上のレベルに進化したアクティブトラック2.0は、うまく活用することで、撮影の幅を広げることができ、新感覚の空撮を愉しむことができるでしょう。

⑤まとめ

ここで紹介した撮影方法は「Mavic2」のほんの一部になります。これ以外にもパノラマ撮影や拡張HDR写真、ハイパーライトといった機能や、クイックショットにもアステロイドやブーメランといったフライトモードも用意されています。これらをうまく活用することで、センス溢れる美しい空撮映像を撮影することができるようになります。1つひとつの機能をよく理解して、特徴を活かした撮影をおこなえるようにすることが大切です。

今回は、多機能かつ安全性に優れた「Mavic2」の特徴的な撮影方法や機能を紹介しました。この機体の性能をフルに活用して、理想的な空撮を愉しんでみてはいかがでしょうか?

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