憧れのラジコン飛行機を飛ばすには電動機?エンジン機?

ラジコン飛行機は主に電動機とエンジン機のふたつに分かれます。歴史を辿ると元々はエンジン機が主流でしたが、ここ20年ほどでブラシレスモーター、リポバッテリーが高性能かつリーズナブルな価格になってきたことで、一気に電動機のシェアが伸び、最高峰のF3Aでさえの電動で飛ばす時代が来ました。

そんな中、自分がどちらの方法で飛行機を飛ばせばいいのか、迷う人もいるのではないでしょうか?そこで今回は電動機、エンジン機それぞれの特徴や良い点を紹介していきたいと思います。

電動機とエンジン機の違いを知ろう!

これまでエンジン機を飛ばしていたフライヤーが電動機を初めて取り扱う場合、どこに注意すれば良いのでしょうか?

まず、エンジンと電動の大きな違いはエンジンは動きが見えるが、電気はその姿が見えない、というところです。エンジンは自分でプラグヒートして、スターターで回転させるまで決してエンジンが始動することはありません。しかし、電動の場合、動力用バッテリーをつないだ瞬間に、モーターが回転し始める可能性があります。電気はその姿を見ることができないので、不意にモーターが回転しないように、スロットルが下がっているか、アンプの設定はあっているか、プロポのモデルは間違いないか、など動力用バッテリーをつなげる前に必ず確認するようにしましょう。

もうひとつ、大きな違いはバッテリーの残量が少なくなると、急にパワーがダウンすることでしょう。上空で戻ってこれる距離ならば良いのですが、パワーダウンに気づかず遠くへ持っていってしまうと、バッテリー切れで帰ってこれなくなる場合があります。また、最後まで使ってしまうとリポバッテリーが壊れる原因となります。エンジンの場合はガス欠寸前までパワーが落ちることはないですが、電動の場合、パワーダウンを感じたらすぐに降ろすようにしましょう。

また、最近のモーターやリポバッテリーはパワーがあるので、パワーに頼ったフライトをしてしまうことがあります。しかし、特にスケール機などはその機体にあったスケールライクな飛びが魅力なはずですので、パワフルに飛ばすだけでなく、その機体らしい飛びを目指したいところです。

最後にメンテナンスですが、これは電動に一日の長があります。排気ガスを拭き取る必要もなく、振動も少ないのでメンテナンスは容易。これは電動の大きな魅力ではないでしょうか。

エンジン飛行機の魅力と楽しみ方

ラジコン飛行機を楽しむうえで、特にある程度年輩のマニアのなかには、飛ばす楽しさもさることながら、エンジン模型として、動力となる模型用エンジン自体に魅力を感じるマニアも多くいらっしゃいますでしょう。何歳になっても、模型用エンジンは大人を童心に帰らせる魅力を持っているものであり、特にベテランマニアのなかには、少年時代に見た模型飛行機のエンジン音と、当時のグロー燃料に使用されたヒマシ油の燃える排気ガスの独特な匂いなど、当時の記憶に残る感動と興奮は、年を重ねて大人になっても忘れるものではなく、やはり模型飛行機の原点はエンジンを搭載した機体でなければならないという、強いこだわりを持つエンジン機マニアも多いのではないでしょうか。

最近では、周囲の状況や飛行場所の確保など、ラジコン飛行機を取り巻く厳しい環境の影響もあり、各地のラジコン専用飛行場において、パワーユニットとして騒音が少なく、排気ガスを出さない電動動力ユニットを搭載した電動飛行機が増えているが、これは、電動のメリットが大きいことにほかなりません。

しかし、騒音が少なく手軽に飛行を楽しめる電動飛行機とは違い、エンジン機は飛行させるまでの手間が掛かるが、メカニカルな内燃機関のエンジンを始動させるという作業そのものも、模型飛行機の楽しみのひとつとなっています。燃料を入れ、キャブレターへと燃料を呼び込み、プライミングとクランキングによりエンジン内に燃料とオイルを行きわたらせて、シリンダー内の適切な混合気をイメージしながら、クランク一発で始動したときの満足感は、電動飛行機にはない格別なものではないでしょうか。

最近では、模型用ガソリンエンジンの小型軽量化が進み、各エンジンメーカーからも小型ガソリンエンジンが多く販売されており、グローエンジンとともに搭載するエンジンの選択肢も増えています。また、エンジン機は排気音も大きな魅力のひとつであり、特にスケール機の場合には、実機さながらのエンジン音と排気煙を残してのローパスなど、電動飛行機では味わうことのできない大きな魅力があります。

電動飛行機の魅力と楽しみ方

一方、電動飛行機は、この20年ほどの間に急速に発達したブラシレスモーターやリポバッテリー、コントロールアンプなどの電動動力ユニットによって、エンジンのパワーと同等かそれ以上のパフォーマンスを発揮することが可能になりました。

それに加え、前述したように昨今のラジコン飛行機を取り巻く厳しい環境の影響もあり、周囲の状況や飛行場所の確保などの問題から、騒音が少なく排気ガスのないクリーンな電動動力ユニットを使用するメリットが大きく、現在では各地のラジコン専用飛行場において、電動ユニットを搭載した電動飛行機がエンジン機を完全に上回って広く普及しています。

電動飛行機の魅力として、機体製作時にモーターやアンプ、バッテリーなどの選定さえ適切であれば、飛行場でのエンジン始動や、エンジンの難しい調整も必要とせずに安定したパワーが得られ、排気による機体のオイル汚れもなく、飛行場でバッテリーを接続してスイッチを入れるだけで、簡単に飛行させることができる点があります。また、飛行中のエンストなどのリスクも小さく、飛行技術習得のための操縦練習に集中することが可能なため、電動トレーナー機で入門する初心者が多くなっています。

電動飛行機のメリットを活かした代表的な楽しみ方のひとつとして、小型機による3Dアクロ飛行があります。エンジンよりも大径プロペラを使用することが可能で、中低速域での出力特性も自由に調整出来る電動飛行機は、トルクロールなどホバリング時のスロットルワークに対しての反応にすぐれているため、多くのマニアが電動飛行機でアクロ飛行を楽しんでいます。

また、スケール機においても、手軽にスケールフライトを楽しめる発泡素材のものや、双発機など、エンストによる片肺飛行のリスクが少ない電動飛行機を選ぶマニアが増えています。また、電動スケール機において唯一デメリットと言える排気音については、最近では大きなエンジン音を出すことのできるサウンドシステムも開発されているので、試してみるのも良いのではないでしょうか?

まとめ

今回はラジコン飛行機におけるエンジン機と電動機の魅力と楽しみ方の違いを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?電動機には電動機の、エンジン機にはエンジン機の魅力があり、それぞれメリット・デメリットがあります。そこをよく理解した上で、自分に合ったフライトスタイルで楽しんでみてください!