飛ばして良し、撮って良し!小型ドローン「Tello」の正しい楽しみ方

今年もここまで多くの新機種が発売されてきましたが、大きなインパクトを残した機体としてひとつ挙げるならば、やはりRyze Techの「Tello」をおいて他にはないでしょう。

超小型の機体ながら、DJIのテクノロジーを駆使した素晴らしい安定感と、さまざまなフライトモードを搭載し、飛ばして良し、撮って良しのこの機体は、ドローン初心者からベテランまで、誰にでもオススメしたい1機となっています。

そこで今回はこの「Tello」のすごさについて紹介していきたいと思います。

①シンプルイズベスト!な「Tello」の製品構成

「Tello」を箱から開封してみると分かるのですが、完成した機体と予備のプロペラ、そして説明書。これしか同梱されていません。リポバッテリーは機体に搭載されており、充電をおこなうためのUSBケーブルも別売りとなっています。また、「Tello」は基本はスマートフォンにインストールしたアプリで操縦しますので、送信機もありません。必要最低限のものだけが同梱された、シンプルな製品構成となっています。もし、本格的な操縦を楽しみたかったり、スマートフォンでの操作に違和感を覚えるならば、「ドローンステーション」で販売されている、別売りの送信機もセットになったものを購入すると良いでしょう。

「Tello」送信機付きドローン入門セットの購入はドローンステーションから!

②まずはリポバッテリーを充電とアプリのインストール

リポバッテリーは、機体に挿したまま別売りのUSBケーブルで充電します。フル充電で約13分の飛行が可能ですが、アウトドアなどで多くの風景を撮影したいなら、もうひとつリポバッテリーを購入しておくと良いでしょう。

さて、前述したように、この「Tello」は送信機は付属されておらず、スマートフォンにインストールしたアプリで操縦します。ですので、リポバッテリーを充電中にアプリをインストールしておくと良いでしょう。iOS、Androidとも無償で提供されています。

充電が完了したら、機体の電源を入れます。すると機体からWi-Fiの電波が出ますので、これをスマートフォン側でキャッチして、接続できたらアプリを立ち上げてみましょう。無事に接続できていれば、カメラからの映像がスマートフォンの画面に表示されているはずです。

③「Tello」を早速飛ばしてみよう!・・・でもどうやって!?

まずは「Tello」をどこで飛ばすか考えましょう。インドアならばある程度広さのあるリビングや時間で借りることができる公民館や体育館(事前にドローンを飛ばして良いか確認すること)が良いでしょう。アウトドアでしたら、ベストはRC飛行場ですが、クラブ員にならないと飛ばしてはいけないところもありますので、注意してください。「Tello」は非常に安定感が良く、しかも航空法の対象外の機体ですので飛行エアリアの制限はないのですが、人や建築物、自動車が近くにあるようなところでは決して飛ばさないようにしましょう。

次に「Tello」を実際に飛ばしてみましょう。「Tello」には自動離着陸機能が付いていますので、アプリ上でこの機能をオンにしますと、機体は自動で離陸してある程度の高さでホバリングします。ドローンは固定ピッチですので、離着陸が難しいとされますが、この機能を使えばまるでベテランフライヤーのようにスムーズな離着陸をすることができます。

上空では、DJIの姿勢制御テクノロジー「ビジョンポジショニングシステム」によって、小型機とは思えない安定感で飛んでくれる「Tello」。アプリ上で何も触らなければ、基本その場で滞空しています。しかし、そこはわずか80gの機体。あまり強風の中、アウトドアで飛ばすとさすがに風に流されていまいますので、外で飛ばすのは微風までに留めておきましょう。

もう1点、注意したいのは操縦者と機体との距離です。アプリ上に機体カメラからの映像が映し出されているとはいえ、基本は機体を見ながら操縦する前提です。あまり遠くへ機体をもっていってしまうと、機体の位置や向きが分からなくなってしまい、間違った操縦で行方不明になってしまう恐れがあります。遠くを撮影したい時は、自分も機体と一緒に移動して、常に一定の距離を保つようにしましょう。

④「Tello」のすごい機能を使って空撮をしてみよう!

さて、この「Tello」には、小さなボディのどこに詰め込んだのか?と思うほど、高機能なフライトモードが搭載されています。ここでは、そんな「Tello」のフライトモードを紹介していきたいと思います。

まずは飛行そのものを制御するフライトモードです。「Tello」では以下の3つが愉しめます。

・Throw&Go
・8D Flips
・Bounce

スロー&ゴーは、「Tello」を手のひらからトスすることでフライトを開始できるもの。手のひらから離陸した機体はそのままその場でホバリングを開始します。離陸が難しい狭い場所やインドアではこの機能を活用すると、スムーズに離陸できるのではないでしょうか。

次に8Dフリップスです。こちらはアプリ上を指でスワイプすると、「Tello」がその方向へフリップ(宙返り)します。前後左右好きな方向へフリップさせることができるので、簡単なアクロバティック飛行が愉しめてしまいます。

最後のバウンスは、機体が自動でアップダウンを繰り返すモードです。まるで遊園地のフリーフォールのように上下に何度もアップダウンを続けます。映像にアクセントをつける時に活用することができるでしょう。

次に撮影モードを紹介します。こちらは「Ez Shot」機能と呼ばれ、以下の3つが用意されています。

・Circle
・360
・Up & Away

サークルは機体が自動で円を描きながら動画の撮影をおこないます。被写体の中心を機体がグルグルと回ることで、あらゆる角度からの撮影が簡単におこなえます。

一方、360は機体がその場で360度回転して撮影をおこないます。Circleとは異なり、この360では機体自身がグルグルと回転しながら撮影します。周囲の風景を広く撮影する際にオススメです。

最後はアップ&アウェイです。これは機体が上昇しながらバックで撮影をおこなうことで、被写体の周囲がどんどん見えてくるような撮影ができます。迫力のある映像を撮影することができるでしょう。

このように「Tello」には、さまざまなフライトモードや撮影モードが準備されており、手軽に本格的な空撮を愉しむことができます。Ez Shotという名の通り、誰でも簡単にプロのような空撮映像を愉しむことができるのが「Tello」の特徴であり、これらのフライトモードを駆使してオリジナルの空撮映像を撮影してみるのも良いでしょう。

⑤最後に

ここまで「Tello」の機能やフライトモードなどを紹介してきましたがいかがでしょうか?小型の機体ながらその多機能さとフライトの安定感で他の追従を許さない「Tello」は、ドローンを初めて飛ばす人からベテランまで、幅広いユーザーが愉しめる機体となっており、DJIのテクノロジーを駆使したその素晴らしい飛びはぜひ一度味わって欲しいもの。現代の最新ドローンの凄さを感じさせるエポックメイキング的な機体ではないだろうか。