一昔前はこうだった! 空ものRC電動化の歴史

ドローンだけでなく、RC飛行機やRCヘリに至るまで、現在の主流が電動機なのは誰の目にも明らかです。しかし、一昔前まではRC飛行機やRCヘリはエンジン機がそのほとんどを占めており、電動機はごくわずかな小型機に限られていました。それがこの15年ほどで一気に電動機が主役に躍り出てきたのはなぜか。今回はそのあたりの歴史を振り返ってみたいと思います。

①モーターの進化

電動機の主役とも言えるモーター。一昔前まではモーターといえばブラシモーターが主流でした。それが一変したのがブラシレスモーターの登場です。今では当たり前になったブラシレスモーターですが、出回り始めた当初はまだその存在は高価なもので、簡単には手が出ない時代もありました。しかし、多くのメーカーからブラシレスモーターが発売されるようになり、価格もこなれたものになったことで、一気のモーターといえばブラシレスモーターという時代がやってきたのです。ブラシレスモーターのメリットはその名の通り、ブラシとコミュテーターがないモーターのことで、これらがないため、電気的な抵抗やブラシの摩耗がなく、メンテナンスフリーで使い続けることができ、さらにテクノロジーの進化で燃費の良いハイパワーなブラシレスモーターが多く登場するようになりました。今ではドローンやF3A、F3Cにも大型のブラシレスモーターを搭載した機体がそのほとんどを占めるようになったのです。

②ESCの進化

モーターがブラシレスモーターに代わってきたことで、ESC(アンプ)もその姿を変化させるようになってきました。これまで2本のケーブルでつながっていたモーターとESCでしたが、ブラシレスモーターになって3本のケーブルで接続されるようになり、大型機を飛ばすために大容量のESCが次々と登場するようになったのです。また、ESCにさまざまな機能が追加されるようになり、ESCの設定をおこなうプログラミング機能が登場し、ESCは多機能化が進んでいきました。現在では150A、200Aといった大容量ESCも簡単に手に入るような時代となり、ESCの進化は続いている状態です。

③バッテリーの進化

電動機全盛の時代を作った存在であるバッテリー。一昔前までの電動機は、ニッカドバッテリーやニッケル水素バッテリーなどで飛ばしていましたが、パンチ力はなく、その上燃費も悪いので、機体を浮かすのでやっと、ということが多かったのです。しかし、15年ほど前からリチウムポリマーバッテリー(リポバッテリー)が登場するようになり、その様相は一変しました。パンチ力があり、燃費も良く、メモリー効果もないリポバッテリーは空ものRCとの相性は抜群で、一気にそのシェアを拡大しました。リポバッテリー自身も、5セル、6セル、そして直列でつないだ12セルとどんどんと高電圧化していき、容量も15000mAhや20000mAhといった大容量のものが開発されていきました。価格も当初は高価だったものの、今では非常にリーズナブルな価格で販売されるようになり、さらに、その質も安かろう悪かろうではなくなってきているのも事実です。現在ではドローンでも多くのリポバッテリーが使われており、その存在は空ものRCの世界では切っても切れないものとなっています。

④機体の進化

電動機が主役となったことで機体自体も変化してきました。振動が少なく、軽量に仕上げることができる電動機は小型機と手軽なパワーソースとして重宝されるようになっただけでなく、大型の選手権機などでも、エンジン以上のパワーを発揮する電動ユニットが開発されたことで、電動の機体が次々と開発されるようになりました。また、周辺機器として充電器もリポバッテリーの進化に合わせて高性能なものが登場してきただけでなく、電動専用の3軸ジャイロがリーズナブルな価格で手に入るようになったなど、その恩恵は計り知れません。

電動機は今後もドローンやRC飛行機、RCヘリの世界で主役として活躍していくのは間違いなく、次の進化がどのようなものになるのか、今から待ち遠しく感じます。

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