意外と分からないラジコンヘリの素朴な疑問集!
はじめに
多くの人が憧れるラジコンヘリ。そのメカニカルな構造とスタイリッシュなデザインは、いつかは自分で飛ばしてみたい、と思わせる魅力溢れるものです。そんなラジコンヘリをいざ飛ばし始めてみると、いろいろな疑問が浮かんでくることでしょう。そこで今回は特に問い合わせなどが多いラジコンヘリの素朴な疑問について、わかりやすく解説していきたいと思います。
Q1:競技会用ボディを付けるメリットは?
A1:まずはなんといっても上空での視認性が良くなることでしょう。また、ボディがないと細いテールパイプ1本が剥き出しなので、ホバリング時にテールパイプが1本の基準線のようになってしまい、エレベーターの動きがとても目立ってしまいまうので、F3Cでは不利になりがちです。ボディはその点、テーパーになっていることが多いのでエレベーター方向が安定して見えるという利点があります。逆に上空での飛行感覚はそんなに大きく影響はしてこないと思います。若干、スピードが落ちるといった効果がありますが、演技自体には大きく影響してこないと思います。やはり、上空で機体の姿勢がよく分かるということが一番のメリットだと思います。最近のボディはメンテナンス性も上がり、バッテリーも搭載しやすくなりました。以前と比較するとボディも大きく進化したと思います。
Q2:電動ヘリでスロットルカーブを一直線にしている理由は?
A2:これはアンプの種類にもよります。最近のアンプでガバナーモードで飛ばす場合は、スロットルカーブを一直線に設定して、回転を上げるならばカーブ全体を上に上げたり、逆に回転を下げるならばカーブ全体を下に下げたりします。ただ、普通にガスモードのようなモードで飛ばすならば、一般的なスロットルカーブの設定をする必要があります。よって、電動ヘリだからスロットルカーブが一直線というわけではなく、使用するアンプのモードによって変えていく必要があります。ガバナーモードでは、モーターの回転数は常に一定で、ピッチが付いて抵抗が増えた時はアンプがモーターの回転数を維持しようとします。最近のアンプではガバナーモードが付いていることも多く、使っているフライヤーも多くなってきています。
Q3:オートローテーションはいつくらいに練習するのがいいでしょうか?
A3:よく「早めに覚えた方がいい」と言われますが、ホバリングしかできない段階でやるのは危険です。上空のPターンやストールターンができるようになったら、次にオートロを覚えるのがいいでしょう。オートロができると上空で何かあった時でも機体を無事に着陸させられる可能性が上がります。練習方法としては、まずは45度の角度で進入着陸の練習を繰り返すことでしょう。慣れてきたらオートロにようになるべくスロットルをスローにして練習をしてみましょう。自分の前まで来たらフレアをかけてホバリングをするという練習をすると、しっかりとしたオートロが意外と早く覚えられるはずです。練習のポイントは、自分の目の前に降りてこれるスピードと上空でスローにする位置と高さを何度も練習して覚えることと、マイナスピッチはあまり付けすぎず、マイナス3度くらいいにしておくことです。
Q4:グローエンジンの燃料を変える際に注意することはありますか?
A4:グロー燃料でも15-18のようなニトロとオイルの割合が同じような燃料ならば、燃料を変えてもそんなにニードル設定は変わりません。逆にニトロ30のような燃料を使う場合は爆発力が強くなりますので、一般的にはニードルを開けていきます。あとはオイルが影響することもあります。例えば18-25のような燃料を使うと燃料がドロドロなので、普段よりもニードルを開けていくようにします。あとは、その日の気温や天候、飛行場の高度などを考えながらニードルの設定を細かくやっていきましょう。
Q5:リポバッテリーのアンチスパークでいい対策はありますか?
A5:F3Cや700クラスの機体ですと12セルのリポバッテリー(6セルを2本)を使いますから、コネクターをつなげる際に「バチッ!」とスパークして怖い思いをした人も多いのではないでしょうか。最近ではアンプ側にアンチスパークの機能が付いているものもあるので、それを使うのもひとつの手でしょう。また、各社からアンチスパークプラグコネクターが発売されているので、それを使うとスパークを防ぐことができます。
Q6:メインローターの適切な回転数を知りたい
A6:よく初心者の人で適切な回転数が得られず、スロットルの下の方や、上の方でやりにくそうにホバリングをしている人を見ます。これは非常に飛ばしにくいと思いますので、適切な回転数を把握して調整が必要になります。そのためには回転計かテレメトリーセンサーで計測する2種類の方法が考えられます。しかし、適切な回転数がどのくらいなのかと言われると、これは非常に難しいところがあります。機体やメインローター、パワーソース、飛ばし方によって変わってくるからです。回転計やテレメトリーセンサーの数値、ローター音、さらに機体を見て判断するしかありません。もし回転数が足りないと思ったら、ピッチを下げるかスロットルカーブ全体を上げて、パワーを上げることで回転数が増加します。ただ、そうすると今度はホバリングできるスロットルの位置が変わってくるので注意が必要です。真ん中でホバリングしていたものが変わってきてしまいますので、再びスロットルの真ん中でホバリングできるように、スロットルカーブとピッチカーブの再調整が必要になります。
Q7:スロットルカーブやピッチカーブのポイント数はいくつか最適ですか?
A7:最近のプロポはポイント数が非常に多くセッティングできるようになっていますが、まずはハイ、ロー、ハーフ、そしてそれぞれの中間の5ポイントで設定するのがいいのではないでしょうか。もっとカーブを細かく設定したい場合は、プロポによっては非常に多くポイントを設定でき、機種によっては最大17ポイントまで設定できるようになっています。しかし、トップフライヤーの中には逆に4ポイントのみの設定をしています。ハイとロー、それに25%と75%のところで、中間は設定していません。これは好みだと思うのですが、ホバリング時はスロットルの25%から75%の間で飛ばすことがほとんどです。その間にポイントがあるとカーブに段差が付いてしまい、スロットルを上げていった時に途中でレスポンスが変わってしまうのを避けるためで、25%から75%までをリニアに上げていけるようにしています。最近のF3Cフライヤーはこのように4ポイントで設定している人が多いようです。もちろん、多くのポイントを使って細かく設定するのも間違いではないので、後は個人の好みの問題でしょう。
Q8:2.4GHz送信機のアンテナの向きはどうすればいいのでしょうか
A8:人によってプロポを上向きに持ったり、下向きに持ったりするのでアンテナの角度はそれぞれなのですが、基本はアンテナの側面が一番送信出力が強いので、真っ直ぐに伸ばしておき、後はプロポの角度によってアンテナを手前にやや傾けるのがいいでしょう。アンテナを横にしておくと、飛行場の奥の方でストールターンをする際に電波が弱くなってしまうことがあるので、アンテナを横向きにはしないようにしましょう。ただ、ヘリは飛行機と違ってあまり機体とフライヤーの距離が離れないので、アンテナを立てて使用しておけば、あまり気にしないで大丈夫だと思います。
Q9:ホバリング練習時のマイナスピッチはどのくらいが適切ですか?
A9:初心者の人がホバリング練習をする際はマイナスピッチは設定しておいた方がいいのですが、あまり多くない方がいいでしょう。マイナスピッチが多く設定されていると、危険を感じてピッチを抜いた際に機体が急激に降下してしまい、下手すると地面に叩きつけられてしまうことがあります。目安はマイナス3度くらいでしょうか。逆にマイナスピッチが設定されていないと、機体が上がったしまった際に今度は降りて来なくなってしまいます。特に風が強い日は機体が高く上がりがちになりますので、降ろしてくるのに一苦労してしまいます。そうすると、今度は機体を降ろそうと思ってスローにすると、ローター回転がなくなってしまい、推力を復帰させたい時に間に合わなくなってしまいます。そういったことを考えると、マイナス3度くらいマイナスピッチを付けておくのがいいのではないでしょうか。
Q10:大会はどのくらいうまくなったら出場して大丈夫でしょうか?
A10:メーカーが主催するヘリコプター大会には初心者用のオープンクラスが設定されていますので、その演技内容ができそうなら、ぜひ積極的に参加してみましょう。大会に参加すると、他の人の飛行を見ることができますし、いろいろな人と知り合いになれて情報交換もできます。1人で練習しているより、こういった大会に参加して、他の人の前で演技するというのも貴重な経験になり、スキルも上達するはずです。参加者はみんな同じ趣味を持つ人ばかりなので、すぐに知り合いになれますし、来て良かったと思えるはずです。
Q11:メインローターの種類と違いを教えてください
A11:最近のメインローターはほとんどがカーボンローターです。翼型も一昔前までは対称翼、非対称翼などがありましたが、ほとんどが非対称翼になっています。メインローターを選ぶ際は自分の機体に合ったサイズを選ぶことが重要です。まずは機体が推奨するサイズのメインローターを付けて飛ばしましょう。また、メインローターはフライトスタイルによってF3C用や3D用といった種類があります。一般的にF3C用の方が重く、3D用の方が軽くできています。これは3Dの方が舵を入りやすくして機体が動きやすいようにするためです。逆に3D用でF3Cをやろうとすると舵が入りすぎてしまい、安定感が損なわれてしまいます。そういった意味で、自分のフライトスタイルに合ったメインローターを選ぶことが大切です。ちなみに、RCヘリがフライバーレスになった時に、メインローターは重くなりました。これはフライバーだけで50gほどの重さがあった分、安定はするのですが2割ほどパワー損失がありました。これがなくなったのと、機体がパワーのある電動になったため、重いメインローターを回せるようになったためです。
Q12:電動機とエンジン機の操縦フィーリングに違いはありますか?
A12:エンジン機と電動機を飛ばし比べた場合、もっとも大きく違いを感じるのはパワーの面です。電動機の方がパワーが勝っているので、上空で高い回転数でローターを回し切ることができます。逆にホバリング時はエンジン機の方が良いフィーリングを得ることができます。エンジン機の座りの良さは電動機にはないものだと思います。よく言われるのが、ホバリング時は電動機の方が軽く感じ、エンジン機の方が「ドン!」と座っている感じがする、ということです。また、電動機の場合は最近ではガバナーを効かせて飛ばすことが多く、ずっと回転数は変わりませんので、上空で操縦フィーリングが変わることもなく、常に同じような感じになると思います。
Q13:メンテナンスの際に油を挿した方がいい部分はどこですか?
A13:基本的には可動する部分には油を挿しておいた方がいいでしょう。特にスワッシュ部分やテール部分には油を挿しておくようにしましょう。ただ、あまりつけすぎてもダメですので注意が必要です。逆にエンジン機は油を挿す必要はありません。これはエンジンからの排気が機体にかかるからです。これによって油を挿していることになりますので、飛行後に油を追加で挿すことはやめましょう。また、オートローテーションのワンウェイベアリングには油を挿してはいけません。ここに挿すと壊れやすくなってしまいます。これは油によってワンウェイのロックがかからなくなってしまうからです。別の場所に挿した油が垂れて、ワンウェイベアリングにかからないように注意しましょう。
まとめ
今回はラジコンヘリを飛ばしていて気になってしまう疑問について、その回答をまとめてご紹介してきました。
ラジコンヘリは飛ばしていて非常に楽しく、魅力溢れるホビーです。その一方で専門知識や専門用語を覚える必要もあり、初心者には難しい部分もあります。
今回の疑問集が少しでも皆様の快適飛行につながることを祈っています!