エンジン機フライヤー必見!模型用エンジンのトラブル解決方法
気温が下がってきて寒い季節になってきましたが、皆さんのエンジンの調子はいかがでしょうか?模型用エンジンはさまざまな設定やメンテナンスが必要ですが、それが逆に電動機にはない面白さとなり、現在でも多くの愛好家がエンジン機を楽しんでいます。
そんなエンジンですが、始めたばかりの方はエンジンがうまく始動しなかったり、調子が良くないなどトラブルを起こした際にどうすれば良いかわからない場合もあることでしょう。
そこで今回は代表的なエンジンに関するトラブルとその解決方法についてまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
事例①:エンジンが始動しない場合
エンジンを始動しようとしても、まったくエンジンがウンともスンとも言わない場合、いくつか原因が考えられます。理由としては
・燃料がキャブレターまで来ていない
・オーバーチョークを起こしている
・プラグが点火しない
ということが考えられます。
まず、燃料キャブレターまで来ていないことが疑われる場合ですが、一度プラグヒートを外して、キャブレターのドラムを全開にし、指で吸引口をふさぎ、その上で正回転方向にゆっくりクランクしてみます。もしくは、排気口を指で塞いでクランクしても同じ効果となります。これで始動しなければ次にオーバーチョークを疑います。
オーバーチョークとはエンジン内部に燃料が多く入りすぎてしまった状態です。この状態でスターターを使ってエンジンを回すのは非常に危険です。これはウォーターハンマーという状況を起こす危険があり、多く流れてしまった燃料がシリンダーヘッドまで入った状態で圧縮させようとすると、当然燃料は圧縮できませんので、ピストンやコンロッドを変形、もしくは破壊してしまいます。始動しようとして、手でクランクしてみても回らない場合、スターターを使って内部の燃料を一度全部外に出してしまうか、プラグを外して勢いよくクランクするして、溜まってしまった燃料を外部に排出しましょう。
オーバーチョークでもない場合、点火プラグを疑います。模型用エンジンはプラグヒートで熱せられたプラグがエンジンの爆発の予熱で温まり続けることでエンジンの点火をおこなう仕組みですが、このプラグの劣化や電圧不足でもエンジンは始動しません。始動しない場合はエンジンからプラグを外してみて、フィラメントが切れていたり、歪みなど劣化していないか確認しましょう。切れていたり、劣化してしまったプラグはすぐに交換しましょう。
プラグ周りでは、プラグヒートの電源の電圧低下も考えられます。電圧が低いと、プラグを外してテストでヒートできたとしても、エンジンに取り付けて圧縮を掛けると消えてしまいます。この場合は親電源を充電、もしくは交換するしかありません。
事例②:配管周りのさまざまな問題
エンジンを始動するには燃料が必要で、その燃料はエンジンの外部、燃料タンクに入っています。その間をつなぐ配管や燃料タンクそのものの影響でエンジンが始動しない場合もあります。
まず、よくある事例としてシリコンチューブのつぶれがあります。機体の内部、非常に狭いスペースに配管するので、燃料パイプ同士が干渉して折れ曲がってしまい潰れてしまうことで燃料が行き届かない場合があります。コツとしてはなるべくシンプルに、最短の距離で配管することをオススメします。
また、配管の途中にピンホールがあってもエンジントラブルに陥ります。非常に小さいピンホールでも、気づかぬうちに外部の空気を吸ってしまい、燃料ポンプ等でプレッシャーがかかった時にそこから吹き出してしまいます。
燃料パイプではなく、燃料タンクの問題によるトラブルも考えられます。タンク内部に挿し込んだ燃料パイプがキンクしていたり、タンク内のチューブが劣化して穴が開いていたり、もしくは先端のオモリが脱落しまったりしていることがあります。これでは燃料がエンジンに行き渡るわけがないのですが、燃料タンク内部なので見つけづらく、交換も手間がかかります。定期的にチェックして、正常な状態を保つようにしましょう。
事例③:始動後のエンストや息つぎ
エンジンは始動するものの、すぐにエンストしてしまうことがあります。こういった場合の原因としてまず考えられるのがニードルの絞りすぎです。これは、地上で駐機している時は水平位置だったキャブレターとタンクの関係が、いざ離陸となると姿勢の変化によって液面差により混合気が薄くなることでエンストしてしまいます。スロットルを若干戻すことでエンストを防ぐか、ニードルを再調整し、やや濃くしてエンストを防ぐようにしましょう。
エンジンは始動し、回転はするものの息つぎをすることがあります。これはエンジンの振動によりタンク内部で燃料に泡が発生することで出てしまう症例になります。事例②でも挙げた配管途中のピンホールにより、キャブレターまでの間に空気が混入していることが原因です。この場合は燃料タンクの振動対策が必要です。よくあるのは、柔らかいスポンジでタンクをくるむことで防振する方法です。
他には、エンジンは始動するものの、イマイチ回転が上がらない…という事例があります。この原因は主にプロペラです。搭載しているエンジンと取り付けているプロペラのダイヤとピッチが合っていないことが疑われます。エンジンに対してダイヤ、ピッチが小さめのプロペラならば大丈夫ですが(飛行に問題はあるかもしませんが)、ダイヤ、ピッチとも大きすぎるプロペラを付けている場合、ニードル調整時のピークが分かりづらく、さらに大きなプロペラの影響でエンジンに負荷がかかります。さらに4ストロークエンジンを使っている場合は、ノッキングを起こしやすくなるでしょう。正常な回転が得られない場合は、必ずエンジンの取扱説明書に指定されている範囲のプロペラ取り付けて、ベストなパフォーマンスを出せる環境にしてください。
事例④:オーバーヒート
エンジンの大敵はオーバーヒートです。特に小型の模型用エンジンはオーバーヒートしやすく、しっかりと対策をおこなう必要があります。
オーバーヒートの原因の一番はニードルの絞りすぎです。地上で燃料満タン時にアタリを出したつもりでも、飛行して燃料が少なくなるうちに混合気が薄くなっていき、そのままオーバーヒートにつながっていきます。これを防ぐには、地上でニードル調整する際に、ピークを出してから数コマニードル戻すことで解決できます。そして助手の方に機体を立ててもらい、スロットルを最ローからハイまで上げて、エンジンが正常に吹き上がるかを確認します。もし吹き上がりがもたつくようであれば、ニードルをさらに数コマ戻していきます。
また、オーバーヒートの原因としてはエンジンにプロペラの後流が当たらず、エンジンがオーバーヒートしてしまうことがあります。特にエンジンがカウルで覆われているスケール機などはオーバーヒートしやすいですので、カウルに切り欠きを入れたり、出口を大きくするなどしっかりと冷却対策を講じましょう。
⑤まとめ
今回は主にエンジン始動関連のトラブルシューティングを紹介しました。実際に飛行場でトラブルに合った際に適切に対応できるよう、ぜひ対処法を覚えてみてください。