人気ドローンを徹底比較!「DJI Air3」vs「DJI Mavic3 Pro」!
2023年8月に発表され大きな話題となったDJIの新型ドローン「DJI Air3」。スタイリッシュなデザインと、デュアルカメラ搭載の高性能さは、もはやミドルクラスを超えた存在となりつつあるのではないでしょうか。
そんな「DJI Air3」を購入しようかと考えている人にとって迷うのは、ひとつ上のクラスである「Mavic3 Pro」でしょう。この機体はDJIのフラッグシップモデルとなっており、その多機能さは目を見張るものがあります。そのため「DJI Air3」と「DJI Mavic3 Pro」は価格的に少し差がありますが、性能などを考えた時に購入時に迷う部分があるのではないでしょうか?
そこで今回はこの両者を徹底比較していきたいと思います。
①空撮性能の違いについて
まず「DJI Air3」ですが、機首部分にデュアルカメラを装備した機体となります。広角カメラは1/1.3インチCMOSセンサー搭載で有効画素数は48MP、FOVは82°、焦点距離は24mm(35mm判換算)、絞りはf/1.7です。一方の中望遠カメラは1/1.3インチCMOS搭載で有効画素数は48MP、FOVは35°、焦点距離は70mm(35mm判換算)、絞りはf/2.8です。中望遠カメラはロスレス光学3倍ズームによって独特の映像を撮影することができます。また、動画撮影ではどちらのカメラでも4K/60fpsHDR動画撮影が可能で、最大動画スペックとしては4K100fpsでの動画撮影が可能です。なお、デジタルズームは、広角カメラが1〜3倍、中望遠カメラが3〜9倍。さらに両カメラとも2.7K縦向き撮影ができるのも大きな特徴のひとつです。
次に「DJI Mavic3 Pro」ですが、こちらはハッセルブラッド社製の高性能カメラとさらに2種類の望遠カメラが搭載されています。まず。下部に取り付けられたハッセルブラッド製カメラは4/3型CMOS搭載で20MPに対応。FOVは84°、焦点距離は24mm(35mm判換算)、絞りはf/2.8〜f/11です。次に中望遠カメラは1/1.3インチCMOSセンサー搭載で有効画素数は48MP、、FOVは35°、焦点距離は70mm(35mm判換算)、絞りはf/2.8、光学3倍ズーム対応。そして望遠カメラは1/2インチCMOS搭載で有効画素数は12MP、FOVは15°、焦点距離は166mm(35mm判換算)、絞りはf/3.4、光学7倍ズーム対応。動画撮影としては5.1K/50fps、4K/120fpsに対応しています。デジタルズームに関しては、広角カメラが1~3倍、中望遠カメラが3~7倍、望遠カメラは7~28倍となっています。なお、3種類のカメラはすべてApple ProRes 422 HQ/ProRes 422/ProRes 422 LTでの撮影に対応。 また、「Mavic3 Pro Cine」には1TB SSDが内蔵されており、10Gbps 高速データ転送ケーブルが同梱されているので、よりプロフェッショナルな映像制作が可能となっています。
このようにこの2機はともに複数のカメラを搭載し、撮影シーンに応じてカメラを切り替えながら最適なアングルを決めて撮影することができます。「DJI Air3」が広角カメラと中望遠カメラの2種類なのに対し、「DJI Mavic3 Pro」は広角カメラ、中望遠カメラ、望遠カメラの3種類が搭載されており、このあたりの差が上位モデルと言われる部分になります。
②飛行性能と安全性について
さて、そんな両機について次は飛行性能と安全性について見ていきたいと思います。まず、機体サイズを比べてみましょう。
DJI Air3
展開時(プロペラなし):258.8×326×105.8 mm(長さ×幅×高さ)
離陸重量:720g
DJI Mavic3 Pro
展開時(プロペラなし):347.5×290.8×107.7 mm(長さ×幅×高さ)
離陸重量:958g(Pro仕様)
となっており、「DJI Mavic3 Pro」のほうが一回り大きく、重量も重たくなっています。
次に気になる飛行時間ですが、「DJI Air3」の最大飛行時間は46分、「DJI Mavic3 Pro」は43分とほとんど差がありません。搭載するリポバッテリーについては「DJI Air3」が4セル4241mAh、「DJI Mavic3 Pro」が4セル5000mAhですので、「DJI Air3」が機体がコンパクトな分、燃費の面ではアドバンテージがあります。
さらに、機体の障害物検知機能について比較したいと思います。ここに関しては両機とも全方向デュアルビジョンシステムを搭載し、機体底部にある赤外線センサーを補助的に使用するものとなっています。ミドルクラスの機体である「DJI Air3」にも全方向にデュアルビジョンシステムを搭載するあたり、DJIの安全性への本気度が伺えます。また、両機ともAPAS5.0を搭載しており、機体が自動でスムーズに障害物を避けて飛行してくれます。
そして機体のカメラが捉えた映像をフライヤーの手元に送る映像伝送についても見ていきましょう。「DJI Air3」には、最新のO4映像伝送システムが搭載されています。ライブビュー品質としては最高で1080/60fpsに対応。日本では最大伝送距離として10kmが設定されています。一方で「DJI Mavic3 Pro」は発売当時の最新であったO3+映像伝送システムが搭載されています。こちらもライブビュー品質は最高で1080p/60fpsに対応し、日本では最大伝送距離として8kmとなっています。機体が新しい分、システムも最新のものとなっており、ここはO4を搭載した「DJI Air3」に軍配が上がります。
【DJI Air3、DJI Mavic3 Pro スペック比較表】
DJI Air 3 | DJI Mavic 3 Pro | |
---|---|---|
離陸重量 | 720 g |
Mavic 3 Pro:958 g Mavic 3 Pro Cine:963 g |
サイズ |
折りたたみ時(プロペラなし):207×100.5×91.1 mm(長さ×幅×高さ) 展開時(プロペラなし):258.8×326×105.8 mm(長さ×幅×高さ) |
折りたたみ時(プロペラなし):231.1×98×95.4 mm(長さ×幅×高さ) 展開時(プロペラなし):347.5×290.8×107.7 mm(長さ×幅×高さ) |
最大上昇速度 | 10 m/s | 8 m/s |
最大飛行速度 | 21 m/s | 21 m/s |
最大飛行時間 | 46分 | 43分 |
最大風圧抵抗 | 12 m/s | 12 m/s |
イメージセンサー |
広角カメラ: 1/1.3インチ CMOS、有効画素数:48 MP 中望遠カメラ: 1/1.3インチ CMOSセンサー、有効画素数:48 MP |
Hasselbladカメラ: 4/3型CMOS、有効画素数:20 MP 中望遠カメラ: 1/1.3インチ CMOSセンサー、有効画素数:48 MP 望遠カメラ: 1/2インチCMOS、有効画素数:12 MP |
レンズ |
広角カメラ FOV:82° 焦点距離:24 mm(35mm判換算) 絞り:f/1.7 フォーカス:1 m 〜 ∞ 中望遠カメラ FOV: 35° 焦点距離:70 mm(35mm判換算) 絞り:f/2.8 フォーカス:3 m 〜 ∞ |
Hasselbladカメラ: FOV:84° 焦点距離:24 mm(35mm判換算) 絞り:f/2.8〜f/11 フォーカス:1 m ~ ∞ 中望遠カメラ: FOV:35° 焦点距離:70 mm(35mm判換算) 絞り:f/2.8 フォーカス:3 m ~ ∞ 望遠カメラ: FOV:15° 焦点距離:166 mm(35mm判換算) 絞り:f/3.4 フォーカス:3 m 〜 ∞ |
最大静止画サイズ |
広角カメラ: 8064×6048 中望遠カメラ: 8064×6048 |
Hasselbladカメラ: 5280×3956 中望遠カメラ: 8064×6048 望遠カメラ: 4000×3000 |
デジタルズーム |
広角カメラ:1〜3倍 中望遠カメラ:3〜9倍 |
Hasselbladカメラ:1~3倍 中望遠カメラ:3~7倍 望遠カメラ:7~28倍 |
③まとめ
今回はDJIの人気ドローン「DJI Air3」と「DJI Mavic3 Pro」について比較してきましたがいかがでしたでしょうか??
カメラ性能はさすがに「DJI Mavic3 Pro」が勝っており、3つのカメラを駆使して難度の高い撮影も軽々こなしてくれそうです。しかし、「DJI Air3」のカメラが劣っているかというと決してそんなことはなく、リーズナブルな価格ながらその性能は一昔前では考えられないような高性能なものとなっています。また、縦向きでの撮影ができるなど、「DJI Air3」だけの機能も搭載されています。
どちらも高い性能と安全性を有しており比較するのが難しい両機ですが、資金に余裕があれば「DJI Mavic3 Pro」、本格的な空撮ドローンが初めてならば、比較的リーズナブルでとっつきやすい「DJI Air3」から始めてみるのが良いかもしれません。
それ以外でも自身のスキルや目的、フライトスタイルを考えながら、ゆっくりと比較検討して、自分に最適な1機を見つけてもらえればと思います。