ますます充実のラインナップ!DJI産業用機の強さの秘密に迫る

2018年12月14日

先日の当ブログでも紹介したとおり、DJIは10月末に新たに「Mavic 2 Enterprise」を発表し、さらに産業用の機体ラインナップを充実させてきました。ここに来て急速に拡大するDJIの産業用プロダクト。今回はここに焦点を絞って、その魅力と可能性を追いかけていきたいと思います。

①DJI産業用プロダクトの特徴とは?

ドローンが産業用途で用いられる場合、そのほとんどは既存のソリューションからの置き換えとなります。ドローンを使うことで、より効率的に、低コストで、そして安全に配慮した作業ができることがドローンの魅力であり、新しいソリューションとして注目を集めている理由になります。

そんな中、DJIの産業用ドローンは、空撮をおこなうだけでなく、空撮をおこなうことで空から多くの情報を収集してくることができます。しかも、空からなのでビッグデータを収集できる場所は無限大であり、人間が近づけない場所の情報も収集することができるのは大きなメリットとなるでしょう。

現在、このような特徴を活かし、次のような領域でドローンを活用したビジネスが実現、もしくは模索されていますので、ひとつずつ見ていきたいと思います。

■DJIの産業用プロダクトの詳細は「ドローンステーション」で!

②農業分野

農業分野では、大きく2つのシーンで利用が模索されています。ひとつは農薬散布、もうひとつは精密農業をおこなうためのビッグデータの収集です。DJIでは農薬散布用の機体「AGRAS MG-1」を発売しており、DJIが誇る機体制御技術とミリ波センサーによる農作物との距離を一定に保つシステムを使った散布が高い評価を得ています。DJIは全国に「AGRAS MG-1」のオペレーションを支えるネットワークを構築し、ドローンによる農薬散布の普及に務めています。

③エネルギー分野

エネルギー領域でのドローンの活用も始まっています。まず、最近良く見かけるようになったソーラーパネル。大規模なメガソーラーもあちこちに設置されるようになりましたが、これの点検は定期的におこなわなければいけません。その際に、DJIのXTシリーズが役立ちます。このカメラは赤外線イメージ撮影ができるカメラとなっており、このカメラを搭載したドローンでメガソーラーを撮影することで、発電していないパネルを瞬時に見分けることができます。また、送電線や送電施設の点検も、ドローンならば簡単におこなうことができます。特に送電線は山間の険しい地形に設置されていることも多く、その点検を人間がおこなうにはリスクがつきものですが、これをドローンに置き換えることで、より安全で効率的におこなうことができるでしょう。

④災害時の救助分野

災害が発生した際にドローンは大きなチカラを発揮することができるはずです。道路が寸断されたり、土砂崩れの危険があって人間が近づけない場所でも、ドローンならば空から近づくことができます。夜間ならば「Mavic 2 Enterprise」のスポットライトを使って機体を飛ばすこともでき、すぐに被害状況を確認することで、次の対応を取ることができるでしょう。また、XTカメラを使えば、山間部で迷ってしまった人間を発見することもできます。上空から赤外線カメラを使うことで、人間の体温に反応し、上空から捜索者を見つけることができるでしょう。

⑤メディア分野

もはやすっかり定着したテレビやプロモーション用ビデオでのドローンを使った空撮映像。視聴者に新しい視点での映像を届けることで、より分かりやすく、インパクトのある映像が愉しめるようになりました。DJIでは民生用の機体だけでなく、ビジネス面でも活用できる「INSPIRE2」がラインナップされています。この機体に取り付けられるマイクロフォーサーズカメラを使うことで、より高画質な映像を簡単に撮影することができます。

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⑥インフラ点検分野

日本中にある社会インフラの点検にもドローンの活用が始まっています。例えば高速道路や橋梁の橋桁の調査。これまでは櫓を組んで人間がおこなっていましたが、高所や山間部にあり、やはり危険がつきまとう作業でした。これをドローンに置き換えて、よりコストをかけず、短時間で安全に点検をおこなうことができるようになっています。DJIの最新機「Mavic 2 Enterprise」では、前後左右だけでな上下にも障害物検知のセンサーを搭載しています。これにより、橋梁の下に潜り込んでも、上部にある橋に機体が衝突する危険性はありません。機体自らが危険を察知し、それ以上上昇しないようにしてくれるので、オペレーターはカメラワークに集中することができるはずです。

⑦測量分野

日本ではi-Constructionの取り組みが推進されています。これは土木工事をICT技術を使うことで効率を上げ、より生産性の向上を図る取り組みで、国土交通省が中心となっておこなっているものです。この取り組みの中で使われるデータはすべて3次元測量によって得られたものを使うことになっており、その測量データを取得するのがドローンとなります。ドローンを飛ばし、上空から位置情報を正確に取得し、データをソフトで加工することで3次元測量データを生成。それをICT建機に入れて、正確かつ効率的に土木工事をおこなっていきます。この分野において、DJIは今年の10月に「Phantom 4 RTK」を発表しました。この機体は、RTKユニットを機体に内蔵し、より正確な位置情報を取得することができる測量に特化した機体となっています。今後、日本の土木工事は3次元測量データによるICT土工が中心となっていく中、ドローンの重要性はますます高まっていくものでしょう。

⑧物資の輸送分野

現在、日本の各地で実証実験が繰り返されているのがドローンを使った物資の輸送です。山間部や離島が多い日本では、ドローンを使った輸送に期待がかかっていますが、長距離を完全自律で飛行させる際のさまざまな懸念点を払拭するために、新しいテクノロジーの活用が模索されています。まだまだ実証実験レベルですので、DJIからこれに特化した機体が発表されているわけではありませんが、この領域に関してもなんらかのソリューションをあててくることは間違いなく、期待を抱かせる分野です。

⑨まとめ

ここまで見てくると、DJIが現在のドローンの産業用利用が考えられている分野のほとんどに対応できる機体を用意していることが分かるはずです。DJIの産業用プロダクトの強みはその汎用性にあります。機体はあくまでプラットフォームであり、そこに用途に応じたカメラやアクセサリーを装備することで、その分野に特化した機体に仕立て上げることができる形になります。ITの世界でもそうですが、プラットフォーマーの強さは誰もがしるところ。民生用だけでなく、産業用でもDJIの快進撃は続きそうです。

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