近い将来活躍が見込まれる荷物搬送用ドローン!

さまざまな領域でドローンの特性を活かしたビジネスが模索されており、日本各地で多くの実証実験が繰り返されていますが、そんな中でも一番注目を集めているのが荷物搬送用のドローンではないでしょうか。車や人間では運べないような僻地や山間部、そして災害時にその強さを発揮する荷物搬送用ドローンは、今後活躍が見込める領域として、あちこちから熱い視線を集めています。そこで今回は荷物搬送用ドローンについて詳しく見ていきたいと思います。

荷物搬送用ドローンの構造

現在、一般に公開されている荷物搬送用ドローンは、アームの先にモーターが4つまたは6つ付いたマルチコプタータイプのものがほとんどですが、一部ではシングルローターヘリタイプの機体も開発されています。構造はシンプルで、胴体の下に荷物を入れるスペースが用意されており、ここに運ぶものを入れて目的地まで飛ばします。安定感の良さがウリのドローンですので、こういった運搬時にもその強みを活かせるのは大きなアドバンテージではないでしょうか。

荷物搬送用ドローンに必要な機能

まずはなんといってもペイロードでしょう。重い荷物を運ぶためにはそれだけパワーが必要となります。昨今のドローンは以前のものと比べると比べ物にならないほど強力なパワーを得ましたが、テクノロジーの進化によって、今後はますます重い荷物を運べるようになるはずです。また、ペイロードとともに重要になってくるのが燃費です。産業用とで使われる場合、できるだけ飛行時間が長いに越したことはなく、長距離を飛行できる機体が求められるのは必然ですが、この飛行時間というのはペイロードとの兼ね合いになってきます。重いものを搭載して飛べば、当然飛行時間は短くなってしまうわけで、用途に応じて長距離を飛行できるタイプや、重いものを運ぶタイプ、といったように特化した機体が出現してくるのではないでしょうか。さらに気になるのは今後の荷物搬送用ドローンの動力源です。現在のようにモーターとバッテリーの組み合わせが主流になるのか、燃費がよいエンジンを搭載したものになるのか、両者を合わせたハイブリッドタイプのものとなるのか。この点も今後のテクノロジーの進化によってトレンドが変わってくるので、見逃せないポイントと言っていいでしょう。

荷物搬送用ドローンが活躍するシーンは?

荷物搬送用ドローンとひとくちで言っても、長距離を飛行するドローンも考えられますし、近距離の何度もピストン輸送して飛ぶようなドローンも考えられます。将来的にはUTM上で決められたルートに沿った飛行をする中長距離ドローンが出てくるのでしょうが、直近では近距離を飛ぶ機体がメインになるでしょう。となると、荷物搬送用ドローンが活躍するシーンとしては何が考えられるでしょうか。まずは、山間部や過疎の地域への日用品や薬、救急用品の搬送でしょう。イメージとしては、麓の村から山間部の目的地へ荷物を搭載したドローンが飛んでいくものです。これにより、交通弱者の方がわざわざ買い物に来なくても、日用品の確保に困ることはなくなるでしょう。また、前述したとおり、災害時に荷物搬送用のドローンはそのチカラを発揮することでしょう。災害で道が分断された地域へ、食料品や救急用品、連絡手段となる通信機器などを搭載したドローンを飛ばせば、その地域の人の助けになるだけでなく、被害状況も的確に把握することができるでしょう。人が近寄れないところへ行ける、というドローンの強みを最大限に活かして被害の拡大を防ぐことが期待されます。

このように荷物搬送用ドローンは、その可能性を大きくもったものとして非常に期待されているジャンルとなります。近い将来、アナタの注文した荷物をドローンが玄関先まで届けてくれる日が来るのではないでしょうか。