国家資格取得を見据えて民間資格を今のうちに!こうなるドローンの操縦資格!

ドローンやラジコン飛行機など無人航空機の操縦に関して、さまざまな情報が飛び交う中、国土交通省のWebサイトをよく読み込んでみると、無人航空機の今後の操縦ライセンスに関して、かなり重要なことが記載されていることがわかります。

今回はドローンの操縦ライセンスの今後について、見ていきたいと思います。

①無人航空機操縦者技能証明を取り巻く法体系

法体系などと書くと非常に難しく感じますが、国土交通省でまとめている資料を見てもやはりその読解は困難を極めます。下図のように航空法をTOPに、その下に複数の規則や省令が並び、2022年9月に公布されているのがわかります。

※国土交通省資料より
https://www.mlit.go.jp/common/001510314.pdf

この中で見てみると「技能証明関係通達」は操縦ライセンスそのもの、登録講習機関関係通達は操縦ライセンスを取得するための登録講習を実施する機関に関する通達の2つに分かれているようです。

まずは注目の無人航空機の操縦ライセンスはどのようになるのか、さらに読み込んでいきたいと思います。

②無人航空機操縦者技能証明制度とは

https://www.mlit.go.jp/common/001510313.pdf

2022年9月2日に「無人航空機操縦者技能証明に係る学科試験の科目について」という通達が出ており、この通達は2022年12月5日から施行する、と明記されています。

この通達では、資格の区分という欄があり、「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」に分かれており、二等の科目は一等の科目から一部を除いたものと記されています。この時点で、国土交通省が整備している無人航空機操縦者技能証明は段階によって一等と二等があることがわかります。なお、一等無人航空機操縦士はいわゆる「カテゴリーIII飛行」と呼ばれる、特定飛行のうち立入管理措置を講じないでおこなうもの、すなわち第三者上空における特定飛行をおこなう際に求められるものとなります。

つまり、現在ある民間資格に2022年12月5日から国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」というものが新たに加わることになります。

この「無人航空機操縦者技能証明」は上記のように一等、二等があるほか、取得要件として16歳以上で3年ごとの更新、(すべてではないが)国土交通省への飛行申請の免除というメリットがあることがわかっています。また、国家資格を有するとなると操縦スキルの証明としても、民間資格以上のアドバンテージがあるのではないでしょうか。

ここでポイントは、無人航空機を飛ばすのに必ずしも「無人航空機操縦者技能証明」が必要なわけではないし、引き続き民間資格を受験や保有することもできるという点です。無人航空機を飛ばすのに、必ず「無人航空機操縦者技能証明」が必要になるのか?と考えてしまいがちですが、2022年10月現在ではそういった情報はありません。

③民間資格と国家資格の違いは?

では、民間資格の存在価値はどうなってしまうのかと言うと、決して不要になるわけではなく、引き続き操縦スキルの証明として役立ちますし、民間資格を持っていると国家資格を受講する際に座学や実技の講習時間が短くなったり試験の項目が免除されたりするメリットがあります。国家資格を取得するには大きく分けて次の2通りの方法があります。
①指定試験機関で直接試験を受ける。(学科試験+実地試験)
②登録講習機関での講習を修了したのち、指定試験機関で試験を受ける(実地試験が免除になる)※ポラリスエクスポートは登録講習機関になるべく準備中です。
登録講習機関での講習を受ける際に民間資格を持っていると「経験者」に該当し、カリキュラムの一部が免除となります。

※国土交通省資料より抜粋

つまり、将来的に国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」の取得を見据えて、まずは民間資格を取得しておくのは非常に良い方法ではないでしょうか。「無人航空機操縦者技能証明」が始まっても操縦スキルの証明には使えますし、取得の際に基礎をしっかりと学ぶことができます。さらにいきなり国家資格を受けるより、さまざまな面でハードルは低いのではないでしょうか?

ちなみに民間資格あり、なしでの「無人航空機操縦者技能証明」を取得するための必要な座学と実技の時間ついては上の図のようになっています。やはり民間資格を取得しておくと後が非常に楽なことがわかります。

④無人航空機操縦者技能証明の詳細について

「無人航空機操縦者技能証明」の取得に関し、国土交通省から「無人航空機の飛行の安全に関する教則」という資料も公開されています。77スライドもあるのですべてを網羅はしませんが、大項目だけを拾うと、
1.はじめに
2.無人航空機操縦者の心得
3.無人航空機に関する規則
4.無人航空機のシステム
5.無人航空機の操縦者及び運航体制
6.運行上のリスク管理
となっており、無人航空機を飛ばすにあたって基礎となる項目が網羅されています。

さらに、上記の「無人航空機操縦者技能証明に係る学科試験の科目について」とは別に、無人航空機操縦者技能証明における実地試験の実施に関する基準について、「無人航空機操縦士実地試験実施基準」という通達が10月7日に出ています。これによって無人航空機操縦者技能証明について実地試験があることがわかり、2本の「一等無人航空機操縦士実地試験実施細則回転翼航空機(マルチローター)」や「二等無人航空機操縦士実地試験実施細則回転翼航空機(マルチローター)」という2本の細則によって、それぞれで内容が異なることがわかります。

「無人航空機操縦士実地試験実施基準」には、「実地試験は、無人航空機操縦者技能証明(以下単に「技能証明」という。)の資格の区分(一等無人航空機操縦士又は二等無人航空機操縦士)に応じ、次に掲げる無人航空機の種類ごとに行う。」とあり、次の3つが列挙されています。
・回転翼航空機(マルチローター)
・回転翼航空機(ヘリコプター)
・飛行機
10月7日の通達では「○等無人航空機操縦士実地試験実施細則」が「回転翼航空機(マルチローター)」しか明らかになっていませんので、今後は「回転翼航空機(ヘリコプター)」や「飛行機」の細則が発表されるのではないでしょうか。

⑤まとめ

今回は国家資格となる「無人航空機操縦者技能証明」の詳細と、従来の民間資格との関係性について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?

国家資格の「無人航空機操縦者技能証明」を受験しやすくするためにも、まずは民間資格で腕を磨いてからトライするのも良い方法です。

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