ドローン専門の展示会「JapanDrone2023」レポート！
さる6月26日〜28日にかけて、千葉市にある幕張メッセで、ドローン専門の展示会「JapanDrone2023」が開催されました。コロナが明けたこのタイミングで、この「JapanDrone」も開催規模が大きくなり、会場も広く来場者も昨年と比べて明らかに多く、熱気に満ちたイベントとなりました。
今回はそんな「JapanDrone2023」の中から、編集部が独断で決める注目の機体やサービスについて独自目線で紹介していきたいと思います。
①GLOW.H / SoftBank
ソフトバンクグループブースに展示されていたガソリンとバッテリーによるハイブリッドドローン「GLOW.H」。O.S.（小川精機）製のレンジエクステンダーを搭載し、エンジンで電気を発電しバッテリーを充電することでドローン単体で3時間の長距離飛行を実現。ペイロード搭載時でも2時間の飛行が可能で、そのフライト時間を利用して広範囲の測量を可能としています。
②FMC-01 / 双葉電子工業
プロポで有名な双葉電子工業製のドローンは、Phase Oneの超高解像度1億画素カメラを搭載することができるドローンとなっており、測量や監視目的で活躍が期待されるドローンです。また、この機体はLTEを利用し最長7kmの距離を目視外で自動飛行する実証実験に成功するなど、物流目的でも活用が可能です。
③FMT-05 / 双葉電子工業
ラジコンやドローンのプロポで世界的なシェアを持っているFutabaの最新ドローン用プロポです。Full HD対応ながら低遅延伝送を誇り、長距離通信を得意とするFutabaプロポらしく、5.7GHz帯とSub GHz帯を使った安定した遠隔制御を実現。筐体中央には大きなディスプレイを設置し、クリアな映像を手元で見ながら飛行させることができます。
④ソフトロボットハンド搭載ドローン / 建築研究所・東京理科大学・西武建設
こちらのドローンは、ドローンの上部にシリコン製のソフトロボットハンドが取り付けられていて、このロボットハンドを活用した接触作業を目的として開発されたドローンです。このロボットハンドを使ってドリルや塗料の吹き付けなど、高所でも細かい作業を安全におこなえるようになるのではないでしょうか。
⑤Dr-One / HIEN
HIENブースで圧倒的存在感を放っていたのが「Dr-One」のコンセプト機体です。この機体はガスタービンハイブリッドUAVとなっており、独自開発の10kWガスタービンハイブリッドユニット「DRAGON」を双発で搭載し、航続距離180km以上、最大離陸重量100kgを目指して開発されているドローンです。翼長が5000mmもあるため、その迫力は相当なものでした。
⑥AirTruck / KDDI
KDDIブースに展示されていた物流専用ドローン「AirTruck」は、ACSL製のドローンとなっており、最大ペイロードが5kg、飛行時間はペイロードなしで約50分の性能を誇る機体です。4D GRAVITYと呼ばれる重心制御技術で搭載した荷物の揺れを最小限に抑えつつ、4G LTE通信で補助者なしの目視外飛行を実現。ラストワンマイル配送を担うドローンとして期待されています。
⑦G6.0&NEST / KDDI
こちらは同じくKDDIブースに展示されていた自律飛行ドローンとドローンポートです。「NEST」は監視業務や点検作業を得意とする「G6.0」専用のドローンポートで、人的作業を介さなくても、飛行と充電が交互におこなえるので、効率的な業務を実現しています。今回の「JapanDrone」では多くのドローンポートシステムが展示されており、ひとつのキーワード的存在となっていました。
⑧GT33REU レンジエクステンダー / O.S.Professional（小川精機）
こちらは①で紹介したGLOW.Hにも搭載されているドローン搭載型発電機で、ドローン飛行時間延長のため、エンジンで発電し、バッテリーを充電するものです。セルスターターを標準装備し、エンジンと一体化させることで軽量化を実現。実証実験により11時間の連続飛行に成功しているとのことです。
⑨HEXA / GMOインターネット
空飛ぶマイクロモビリティを開発しているGMOインターネットは、HEXAというエアモビリティの操縦席体験をおこなって盛況でした。空飛ぶクルマと題したこの「HEXA」はご覧のとおりコンパクトなサイズのエアモビリティで、米国のLIFT AIRCRAFT社製のeVTOLとなっており、3月には大阪で実証実験に成功しています。無人航空機だけでなく、こういったエアモビリティも注目される時代の到来を予感させるものでした。
⑩まとめ
今回は6月末に開催された「JapanDrone2023」で気になる製品を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか？ドローンが活躍する場は増えてきていることで、さまざまな機体やサービスが開発されてきました。今後もドローンを活用するシーンが増えていくことで、こういった展示会もますます活況を呈することでしょう。昨年と比べてフロア面積も増え、出展会社や来場者も増えた印象のある「JapanDrone」。次回も非常に楽しみです。
