RCヘリの世界チャンピオン機・PRODRONE「PDH-02C」の魅力！
多くの産業用ドローンをリリースしている国産ドローンメーカーのPRODRONEですが、ドローンだけでなくRCヘリの開発、製造もおこなっている企業でもあります。そのPRODRONEが開発したF3C機「PDH-02C」は、2019年に開催されたF3C世界選手権で伊藤選手がこの機体を使用し、見事優勝を果たしたことで世界チャンピオン機になりました。
今回はこの世界最高峰の機体を紹介していきたいと思います。
①「PDH-02C」の特徴
まず「PDH-02C」の特徴として挙げられるのは徹底した軽量化でしょう。メインフレームにはカーボンフレームを採用し、その組み立てにはボルトを一切使用しておらず、PRODRONEが産業用ドローン開発で培った技術を元に、すべて接着方式を採用しています。この接着方式のメリットとしては、軽量に仕上がること、そしてねじれに強い機体となることが挙げられます。なお、メインフレームは完成済みの状態で販売されているので、面倒な接着作業はおこなわないで済むのは嬉しいところです。
また、全体的な機体設計としては、機動性と軽量性を両立させることを重点に置いています。機体の中で一番の重量物であるリポバッテリーは、その搭載位置で機体の飛びに大きく影響しますが、この「PDH-02C」では重心位置をローター面に近づけることで高い機動性を確保し、昨今の3D要素を多分に含んだF3Cのルールにもしっかりと対応しています。
さらに、そのリポバッテリーは前後重心の位置調整を容易におこなえるよう、ストレートタイプを採用。ロック機構を採用しているため、リポバッテリーの交換も簡単におこなえるようになっており、フルカバーのボディを搭載してもバッテリーの着脱作業がスムーズにおこなえる設計となっています。
シンプルな構造が特徴の「PDH-02C」ですが、ローターヘッドもシンプルでメンテナンスのしやすい構造となっています。この機体のローターヘッドは、センターハブの高さを低くしたことで機体全体が低重心化。最新のトレンドをしっかりと追求しつつ、一切の妥協が許されないF3C機に必要なメンテナンスも容易におこなえる設計が特徴的です。
②「PDH-02C」の追求する高い飛行性能
さて、実際に「PDH-02C」を見てもらうと分かりますが、ボディはメインマストからノーズまでが従来の機体よりもだいぶ短くなっています。これは、水平飛行時のエレベーター制御の性能向上を狙ったもので、現代のF3Cに求められる等速かつフラットな水平飛行を実現しています。もちろん、機体の全長が短くなっているので軽量化にも貢献していることは言うまでもありません。
軽量化という点では、ダイレクトテールドライブシステムもそれに貢献しています。メインマストに搭載された大型のプーリーからテールローターを駆動させる設計になっていますが、これによりテール保持性能が飛躍的にアップしています。このシンプルな構造を採用したことで部品点数が減り、機体全体の軽量化にもつながっています。飛行時はカタログスペックで5.5〜5.7kgに仕上げることができるとのことで、等速で落ち着いたフライトをおこなうことができるでしょう。
③2019年F3C世界選手権で優勝！
そんな「PDH-02C」ですが、2019年にドイツで開催された「F3C世界選手権」でこの機体を使った伊藤寛規選手が見事優勝し、「PDH-02C」は世界チャンピオン機となりました。この大会ではディフェンディングチャンピオンのエニオ・グラバー選手と激しい一騎打ちになりましたが、伊藤選手が最後に圧巻のフライトを見せ6回目のチャンピオンに輝きました。その伊藤選手のスティックワークすべてに応えて素晴らしい演技を見せてくれたのが「PDH-02C」となります。
昨今のF3Cは3D的な要素が多く入っており、非常に高度な演技が続くレギュレーションとなっています。そんな難しいルールにしっかりと対応するため、あらゆる最新要素を盛り込んだ「PDH-02C」はまさにチャンピオン機たる風格を持った機体となっています。
これからF3Cに挑戦しようとしているRCヘリフライヤーの方には、ぜひこの「PDH-02C」をチェックしてもらえればと思います。