DJIの新産業用ドローン「Matrice200 Series V2」とドローン管理ソフト「FLIGHTHUBエンタープライズ」が登場!

DJIは2月22日、新型の産業用ドローン「Matrice200 Series V2」とドローン管理ソフトウェア「FLIGHTHUBエンタープライズ」を発表しました。産業用のハードウェアとして定評のある「Matrice200」の正統な進化版として注目のこの機体と、今後多くのドローンが飛行するにあたって必要となるであろう管理ソフトウェア「FLIGHTHUBエンタープライズ」について、早速紹介していきたいと思います。

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①進化した「Matrice200 Series V2」

今回の「Matrice200 Series V2」では産業用ドローンに必要な部分の強化が目立っている。まず大きいのは「OcuSync2.0」を搭載したことで、より信頼性の高い伝送が可能となったことだ。日本では最大で5kmの伝送ができ、高解像度で低遅延のデジタル映像伝送を実現している。

また、新たに「TimeSync」機能も搭載された。これは機体に搭載されているフライトコントローラーやカメラ、GPSモジュール、RTKモジュール、そしてサードパーティのカメラやアクセサリーを連続して調整する。これにより、DJIのカメラを使用する場合、位置データはCMOSの中心に固定され、正確なジオタグの提供が可能となっています。
※本機能は「Matrice210 RTK V2」のみです。

②高い安全性を実現している「Matrice200 Series V2」

産業用の機体としてさまざまなシーンで活躍するであろう「Matrice200 Series V2」は、同時に求められる高い安全性についても細部までこだわった造りをしています。

まず、ドローンを飛ばす上で欠かせないのがデータ伝送の安全性です。前述の「Ocusync2.0」を搭載し「AES-256」暗号化技術を採用したことで、重要な情報をしっかりとプロテクトしてくれます。

また、前方、下方、上方に搭載されたセンサーによって、障害物の回避が可能となっています。DJIが誇る「フライトオートノミー」システムによって、機体は自分で障害物を検知し、自動で回避するようになっており、FPVフライト時でも衝突を回避して安全なフライトが可能です。さらに、上部と底部には衝突防止用のビーコンも搭載されています。これにより夜間や低照度環境下での飛行時でもドローンの存在を知らせることができ、同じ空域を飛行するドローンとの衝突を防止することができます。

そして、この「Matrice200 Series V2」から「DJI Airsense」が搭載されました。これは、付近の航空機や実機のヘリのリアルタイムに更新される情報をオペレーターに提供するもので、同じ空域で飛ぶ実機の情報を知ることで、空域の安全を確保することが可能です。

③「Matrice200 Series V2」のラインナップ

今回の「Matrice200 Series V2」は引き続き3種類のラインナップが用意されています。「Matrice200 V2」は最もスタンダードなもので、FPVカメラ、衝突防止ビーコン、ディスクリートモード、Mobile SDK対応、DJI SkyPort対応、TimeSync対応といった機能が用意されています。

次に「Matrice210 V2」は、上記の「Matrice200 V2」の機能以外に、Onboard SDKに対応し、搭載デバイスに電力を供給できます。また、この機体はシングル下方ジンバル以外に、シングル上方ジンバルにも対応できるので、上向きにカメラを設置することも可能です。

最後の「Matrice210 RTK V2」は、「Matrice210 V2」のすべての機能にプラスして、高性能RTKモジュールを内蔵し、D-RTK2モバイルステーションにも対応可能となっています。また、ジンバルもデュアル下方ジンバルとシングル上方ジンバルに対応しているので、下向きに2つのカメラを同時に搭載することが可能です。

また、各機の対応するカメラですが、サーモカメラの「Zenmuse XT2」「Zenmuse XT」をはじめ、「Zenmuse X5S」「Zenmuse X7」「Zenmuse Z30」「Zenmuse X4S」そしてサードパーティ製のカメラも搭載可能となっており、幅広いカメラに対応することで、撮影シーンの状況に応じた汎用的な使い方ができる機体に仕上がっています。

④ドローン管理ソフト「DJI FLIGHTHUBエンタープライズ」

一方、今回同時に発表されたドローン管理ソフトウェア「DJI FLIGHTHUBエンタープライズ」ですが、こちらはドローンのオペレーションを管理するための「DJI FLIGHTHUB」に新しく「エンタープライズ」プランが追加されたもの。追加された機能としては「FlightHub WebSDK」や「機器メンテナンス」「ミッション計画」「プライベートクラウドへのアクセス」「ファームウェア管理」などが追加されており、管理できる機体も10機以上となっています。

この「DJI FLIGHTHUBエンタープライズ」では、リアルタイムにドローンの飛行データを管理するライブオペレーションやドローンが飛行した際のフライトデータやフリートとパイロットの管理、チームでドローンを運用する際のミッション管理といった機能が用意されています。

産業用ドローンの場合、企業内やチーム内でさまざまなオペレーターが同じ機体を使ったり、飛行するごとに膨大なデータが取得されるなど、機体やデータの管理が求められてきます。その管理を効率的におこない、ドローンオペレーションの生産性向上を目指したものがこの「DJI FLIGHTHUBエンタープライズ」であり、クラウド上で管理することでデータを安全かつ的確に保管、管理してくれます。

この「DJI FLIGHTHUBエンタープライズ」は、DJIの「DJI Pilot」との連携も容易なものとなっており、ドローンから得たデータは「DJI Pilot」アプリを通じて「DJI FLIGHTHUBエンタープライズ」にクラウドを通じて送られてきます。毎日のように現場で飛行する機体が取得してくるデータをいかに管理していくか、「DJI FLIGHTHUBエンタープライズ」の可能性に期待したいところです。

⑤まとめ

DJIの新型産業用ドローン「Matrice200 Series V2」と「DJI FLIGHTHUBエンタープライズ」いかがでしたでしょうか?ビジネスシーンでますますの活用が進むドローン。その中心的役割を果たすプラットフォームである「M200」は、V2となってますます注目を集めていくことでしょう。今後の活躍が楽しみですね。

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