2018年最後の大型リリース DJI「Mavic 2 Enterprise Dual」登場!

2018年を通じて数多くの新製品をリリースしてきたDJI。11月に「Mavic 2 Enterprise」が発表され、さすがにもう終わりかと思いきや、年の瀬の12月21日に、新製品「Mavic 2 Enterprise Dual」が発表されました。2018年最後の注目機を早速紹介していきたいと思います。

DJI「Mavic 2 Enterprise Dual」の詳細は「ドローンステーション」で!

①「Mavic 2 Enterprise Dual」の特徴

11月に発表された「Mavic 2 Enterprise」は、ズーム機能の付いたカメラを搭載していましたが、今回の「Mavic 2 Enterprise Dual」には、ビジュアルカメラと赤外線カメラをひとつのユニットに統合したカメラを搭載しており、可視画像と熱画像をリアルタイムで統合することが可能。機体はFLIRシステムズとの共同開発となっており、温度を測定し、画像と温度データを簡単に保存することができます。

この「Mavic 2 Enterprise Dual」のカメラユニットは、可視光を捉える4Kセンサーとサーマル画像データを捉えるFLIR Lepton サーモグラフィーマイクロカメラを小型ユニットに統合し、3軸ジンバルカメラに収めたもので、機体サイズなどに変更はなく、「Mavic 2 Enterprise」で話題となったアクセサリー機能も引き続き搭載。全方向障害物検知システムなど、高い安全性を実現するとともに、折りたたんでどこへでも持っていける携帯性も売りのひとつとなっています。

②豊富な表示モードに注目

「Mavic 2 Enterprise Dual」の中でも注目なのが、複数のインテリジェント表示モードを搭載していることでしょう。このインテリジェント表示モードがあるからこそ、先ほど紹介した2つのセンサーによって、オペレーターは夜間や霧や煙が立ち込める中でも、安全に飛ばすことができるようになります。

「FLIR MSX」はFLIR社が特許を取得しているMSX(マルチスペクトルダイナミックイメージング)はリアルな風景を忠実に再現した可視光カメラデータを赤外線カメラのデータにリアルタイムで統合する機能です。細部まで忠実に協調され、肉眼ではすぐに確認できない重要なデータを素早く特定し、把握することができます。

「スポットメーター」は、対象物の平均温度を表示することができます。オペレーターは安全な距離を保ちながら、対象物の温度測定や、機体を近づけてはきけんな環境を把握することができます。

「エリア測定」は、各エリアの平均温度、最低温度、最高温度と対応する場所を表示します。これにより、オペレーターは対象物が過熱しているかどうか、すぐに判断することが可能です。

「等温線設定」は、オペレーターがカスタムパレットを使用することで表示させる特定の温度範囲を指定できます。これによって、範囲内の対象物をより高い対比で表示し、視認性の向上に役立ちます。

このように場面や用途によって表示モードを切り替えることで、使用するシーンに最適な情報を簡単に確認することができるのも、大きな特徴のひとつでしょう。

③活躍が期待されるシーンについて

この「Mavic 2 Enterprise Dual」の活躍が見込まれるシーンがどのようなものでしょうか。まず、赤外線カメラを使用して、大火事や火砕流など災害発生時に状況の把握や安否確認をすることができるでしょう。また、山での遭難者の救助でも、赤外線カメラがあれば人間の体温が分かりますので、遭難者の発見い役立つことが想像できます。

同様に、山で体温が分かるとなると鳥獣被害の対策にも活用できるのではないでしょうか。鳥獣が山中にどのくらい潜んでいて、どのルートでどのように里まで降りてくるのか、普通の映像では木に阻まれて見えませんが、赤外線カメラならハッキリと映し出すことができます。

また、温度が分かるということはソーラーパネルの点検にも活用することができるのではないでしょうか。発電していないパネルの発見は、上空から赤外線カメラで見ることで簡単に発見することができます。メガソーラーは日本の各地に作られている昨今、ドローンを活用することで、検査が短時間で終了することでしょう。

このように赤外線カメラを活用できるシーンは非常に多く、通常のカメラで撮影した可視映像と熱画像をリアルタイムで組み合わせることで、これまでできなかったさまざまな活動をおこなうことができます。特に災害発生時や遭難者の救助には大きな力を発揮することでしょう。

④その他の機能について

「Mavic 2 Enterprise Dual」の機体そのものは「Mavic 2 Enterprise」をベースにしています。飛行時速は最大で72km/h、飛行時間は最大で約31分です。また、GPSタイムスタンプ機能が搭載されたことで、映像を撮影した時刻とデータを記録することができるのも大きな特徴です。これにより、データの信頼性が担保され、ビジネス利用をおこなう上で大きなアドバンテージとなることでしょう。

さらに、「Mavic 2 Enterprise」の特徴であるDJIアクセサリーにももちろん対応。輝度2400ルーメンを誇るデュアルスポットライトや、最大出力100デシベルのスピーカー、白色で閃光し、周囲に自機の存在を知らせるビーコンがラインナップされており、必要に応じて機体の上部に取り付けることでDJI Pilot飛行制御アプリで操作することができます。

他にも自機が飛ぶ空域の安全性を高めるAirSenseテクノロジーも搭載。機体と一体型のADS-B信号の受信機を搭載していることで、周囲を飛行している実機の航空機やヘリコプターを情報をオペレーターに伝えることで、狭い空域に複数機が飛ぶような複雑なオペレーションを要求されるシーンでも、機体を安全にフライトすることができるでしょう。

⑤まとめ

今回発表された「Mavic 2 Enterprise Dual」は、これまではカメラを付け替えて赤外線カメラだけで飛行させていたのと比べ、可視画像を撮影しながら、赤外線カメラの映像と組み合わせることができるという、画期的なテクノロジーを搭載しています。赤外線カメラのデータを活用する場面は、③で述べた通り多く、今後の「Mavic 2 Enterprise Dual」の活躍が非常に待ち遠しいところです。

なお、発売は2019年1月を予定しており、価格は約40万円前後となるのとのことです。

DJI「Mavic 2 Enterprise Dual」の詳細は「ドローンステーション」で!