続々勢力を拡大し続けるDJI「Mavic2」ファミリー!

昨年8月のリリース以来、次々と新しい機体を誕生させ、ラインナップの拡充を図っているDJIの最新ドローン「Mavic2」。民生用の機体から産業用途の機体まで、さまざまな機体が開発されており、その勢いはとどまるところを知りません。そこで今回はそんなDJIの「Mavic2」のラインナップをひとつひとつ紹介していきたいと思います。いま最注目のドローンシリーズを早速チェックしていきましょう。

①各機共通項目

「Mavic2」は機体そのものは共通で、搭載しているカメラやアクセサリーによって異なった機体としています。そこでまずは、それぞれのラインナップの特徴を見ていく前に「Mavic2」として共通項目を見ていくことにしましょう。

まず、動画伝送性能が大幅に向上したことが挙げられます。「OcuSync2.0」動画伝送システムを搭載した「Mavic2」は、通信距離、動画品質、耐干渉性が大幅に改善されており、最大伝送距離5kmの1080p動画伝送を実現。高速伝送かつ低遅延により、スムーズな機体からの映像でオペレーションをおこなうことができます。

また、全方位障害物検知システムを搭載していることも大きな特徴です。DJIのドローンでも初めてとなる全方位障害物検知は、前後左右上下すべての方向の障害物を機体が自動で検知し、回避や停止をおこないます。前方、後方、下向にデュアルビジョンシステムを、左右にはシングルビジョンシステム、上方には赤外線検知システムを搭載し、常に全方位を警戒しながらのフライトが可能です。また、APASと呼ばれる高度操縦支援システムを搭載しており、機体の前後にある障害物を避けるための適切な飛行経路を機体が自動で計画してくれます。

さらに、撮影モードもさらに進化しています。被写体を追いかける「アクティブトラック」は、さらに「アクティブトラック2.0」となり、より追尾性能を向上させています。正確な認識機能や高速でのトラッキングだけでなく、被写体が一瞬見えなくなっても、軌道を予測して追尾し続けます。他にもパノラマ撮影も「Mavic2」では「スフィア」「180度」「水平方向」「垂直方向」の4種類が撮影できるようになっているだけでなく、直感的な操作で簡単に独創的な映像を撮影できるよう、「POI2.0」や「アステロイド」「ブーメラン」など撮影モードも豊富に用意されています。

そんな「Mavic2」は基本スペックも高くなっており、最大飛行速度は72km/h、最大飛行時間は31分、また前作よりも低ノイズな設計となっているなど、より使いやすい機体になっています。

それではここからは各機の特徴を紹介していきたいと思います。

②Mavic2 Pro

2018年8月にリリースされた2モデルのうちのひとつです。「Pro」の名前の通り、プロの現場でも活躍できるハイスペックを小さなボディに収めたこの機体は、新しいDJIドローンのスタンダードモデルとして早くもその評価を確実なものにしています。

まず、注目すべきはカメラです。北欧の老舗カメラメーカーであるハッセルブラッドが開発した小型カメラを3軸ジンバルに搭載しており、20MPの超高画質映像を簡単に撮影することができてしまいます。カメラに搭載されている1インチCMOSセンサーは、前作よりも有効検知範囲が4倍になっており、多くの光を取り込むことで暗い場所でもしっかりと性能を発揮してくれるだけでなく、ISO感度も上限値がこれまでの3200から12800まで引き上げることができるようになるなど、あらゆる環境下で美しい映像を撮影することができるようになっています。

また、「Pro」では1-bit Dlog-Mカラープロファイルに対応しています。このシステムでは10億色以上を記録することができ、従来よりも詳細な色彩情報を保持することができます。さらに、HDR動画に対応しているのも見逃せません。「Mavic2 Pro」は4K 10-bit HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応しているので、4Kテレビに接続した際に、正確なカラートーンと明るいハイライト、強調されたコントラストを愉しむことができるでしょう。

最後に見ておきたいのが絞り機能です。「Mavic2 Pro」ではF2.8〜F11の範囲で絞りを調整できるので、あらゆる光量環境下でも素晴らしい画質を実現します。暗い場所から明るい場所まで、理想的な撮影ができることでしょう。

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②Mavic2 Zoom

この「Mavic2 Zoom」も、2018年8月にリリースされた2ラインナップのうちのひとつです。こちらも機体名で分かる通り、ズームレンズを搭載した機体となっており、その性能を活かした撮影が可能となっています。

「Mavic2 Zoom」には光学2倍ズームレンズが搭載されたカメラが用意されています。ズームは24mm〜48mmとなっており、これにデジタルズームを合わせると最大で4倍までズーム可能な1/2.3インチ12MPセンサーを採用しており、広角から中望遠まで広い範囲での撮影をおこなうことが可能です。

ズーム機能を使うことで遠くから撮影することができるのは、表現の幅が広がるだけでなく、人間や動物、乗り物、建物など被写体に機体を近づけなくても撮影ができるので、安全性や被写体が恐怖感を感じず、ありのままの状態で撮影ができるなど多くのメリットがあります。

また、ズームをした際に位相差検出とコントラスト検出を組み合わせたハイブリッドフォーカスによって従来のものよりも最大で40%も早い、高度なフォーカス機能が搭載されているのも嬉しいところ。オートフォーカストラッキングでも、ズーム時に被写体をしっかりと捉えてくれます。

さらに、この「Mavic2 Zoom」ならではの撮影方法として「ドリーズーム撮影」があります。これは機体をバックさせながら撮影するクイックショットの種類で、まるで空間が歪んでいくような、これまで見たことのない視覚効果を映像に加えることができます。背景が迫ってくるような不思議な効果はぜひチェックしていただきたいものです。

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③Mavic2 EnterpriseとMavic2 Enterprise Dual

この「Mavic2 Enterprise」と「Mavic2 Enterprise Dual」は2018年11月から12月かけてにリリースされた「Mavic2」をベースにした産業用の機体です。

両機に共通しているのは機体上部の拡張ポートにアクセサリーを取り付けることで目的に応じた機体性能に変化させることができる点です。現在では「スポットライト」「スピーカー」「ビーコン」の3種類が用意されており、要求される状況に応じてアクセサリーを付け替えて対応するようになります。

また、産業用ということで、混雑した空域や複雑なオペレーションにも対応するために、DJI AirSenseという周辺の有人航空機にリアルタイムな測位警報を出し、空中衝突の危険を回避するなど、より安全性を考慮した機体に仕上がっています。

カメラは、「Enterprise」には光学2倍ズームとデジタル3倍ズームのダイナミックズームを搭載しており、12MP 1/2.3インチCMOSセンサーを採用した高性能なカメラ。「Enterprise Dual」には可視カメラと赤外線カメラが一緒になったカメラユニットが装備されています。赤外線カメラはFLIR社製の放射サーマルセンサーを内蔵しており、現場でリアルタイムに温度を可視化しながら運用することが可能です。

そして、産業用として、撮影した映像の信頼性を保証するために、事後解析ができるGPSタイムスタンプ機能を搭載しているのも見逃せません。

このように「Mavic2 Enterprise」と「Mavic2 Enterprise Dual」は高スペックの「Mavic2」にアクセサリーを取り付けて付加価値を出し、さまざまな用途で使えるようにした機体となっています。

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④まとめ

2018年後半の話題を独占したDJI「Mavic2」の紹介いかがでしたでしょうか?ベースとなる「Mavic2」が非常に高い性能を有しているからこそできる、このような派生型の開発は、他のドローンメーカーがやろうとしてもなかなかできないスピード感を持っています。2019年もDJIと「Mavic2」から目が離せなくなることでしょう。