知っているようで知らない!? ドローン用語の基礎知識【第3回】

6月に配信したところ思わぬ高評価をいただいた企画「ドローン用語の基礎知識」。まだまだ、解説できていないドローンワードもたくさんありますので、専門的で難しい用語を分かりやすく解説する本企画を復活させたいと思います。「第3回」は、ドローン業界全般に関わる用語の解説を進めていきます。

①i-Construction

国土交通省Webサイトより資料抜粋。

近年、よく聞くようになりました「i-Construction」。この用語は決してドローンだけのものではなく、土木建設全般で使われる言葉になります。この「i-Construction」とは、国土交通省が推進する建設現場における生産性向上への取り組みで、優れたICT技術を全面的に用いて土木建設現場の生産性向上や創造的な業務への転換、業界における賃金水準の向上、安全性向上、多様な人材の活用、魅力的で希望が持てる建設現場の実現を目指しています。この取り組みの中で、ドローンは非常に重要な役割を担っており、「i-Contsruction」のプロセスの中で使用される3次元データの上空からの取得や、現場の状況を俯瞰的に観察できる空撮など、まさに一連の流れのベースとなる部分となっています。ドローンで計測した3次元測量データを元に、設計、施工計画を立案し、ICT建設機械による施工をおこない、ドローンによる3次元測量での検査をおこなうという一連のプロセスの中で、ドローンはまさになくてはならないソリューションとして位置づけられており、この分野での活躍も大いに見込まれます。

②ドローンレース

ドローン業界の中でもエンターテインメント性の強いもので、レース用のハイスピードドローンを使ってその速さを競う競技となっています。機体は100km/h以上、最速で200km/h近く出るものとなっており、機首に搭載されたカメラからの映像を、手元のモニターやゴーグルに転送して操縦する競技が多く、日本だけでなく、世界各地でさまざまなレースやイベントが開かれています。日本においても、いくつものイベントが開催されているだけでなく、チームを結成して転戦するような者も出てきており、多くのメーカーが大会スポンサーにつくなど、大きな盛り上がりを見せています。特に、2016年にドバイで開催された世界大会で、賞金総額は1億円ということもあり、大きな話題となった。最近ではドローンレースもエンターテインメントビジネスのひとつと認識され始めており、若手のドローンレーサーが各国から次々と登場し、活躍を始めています。

③フォルダブルドローン

ドローンのアームを折りたたみ、コンパクトなサイズにすることができるドローン。一般的に大型の産業用ではなく、トイドローンからハイアマチュアモデルで使われることが多い。特徴は、機体をコンパクトにできるためどこへでも持ち歩くことができ、出先で出会った風景をすぐに撮影することができること。最近ではスマートフォンにインストールしたアプリで操縦することができるドローンも多いため、ドローンで空撮をする際もプロポが不要で、必要なアイテム数も少ない傾向にあります。そのため、折りたたんだドローン本体をカバンに入れてしまうだけで、すぐに外出先で空撮ができるようになります。最近では中型機だけでなく、小型の機体までアームを折りたたんで小さくすることができるなど、個性的なドローンも登場しており、今後もこの「携帯性」というキーワードはトレンドになっていくのではないでしょうか。

④模型用エンジン

古くからRC飛行機やRCヘリの動力源として使用されてきた模型用エンジンと燃料。今ではRCの世界だけでなくドローンまで、すっかりその主流は電動(モーター+バッテリー)となってしまいましたが、最近ではドローンの世界で模型用エンジンのメリットが見直され始めています。その理由はなんと言っても燃費の良さ、そしてトルクフルな飛行が可能な点でしょう。燃費については、モーター+リポバッテリーの組み合わせが、どうしても産業用途で見た場合に物足りない点が指摘されています。飛行時間が短いことが、ビジネスシーンにおけるネックとなっているのです。しかし、模型用エンジンに関しては燃費の良さと、大きなプロペラを回すことができるトルク感がアドバンテージとなっており、燃費の良さによって飛行時間を大幅に伸ばすことができます。ただ、デメリットとしては振動の多さや調整の難しさなどが挙げられます。最近では電動とエンジンのハイブリッドパワーユニットも研究開発されるなど、模型用エンジンは時代遅れの代物ではなく、むしろ最先端を突き進んでいる感さえあります。

⑤固定ピッチと可変ピッチ

ドローンやRCヘリには、プロペラのピッチ角を自在に変えられる可変ピッチ機構とと、決まられたピッチ角から変えられない固定ピッチ機構を採用している機体があります。いわゆるマルチコプタータイプのドローンは、そのほとんどが固定ピッチになり、上昇や下降はモーターの回転数を調整しておこないます。それに対し、可変ピッチ機構を採用している機体は、モーターの回転数とは別に、プロペラのピッチ角を可変させることができるので、例えば、ピッチ角をマイナスにすることで、モーターの回転数は落とさず機体を降下させたりすることができます。本格的なRCヘリはそのほとんどが可変ピッチ機構を採用しており、プロポの機能である「ピッチカーブ」と「スロットルカーブ」を調整することで、細かいセッティングを施すことができるようになります。一方、固定ピッチ機は構造がシンプルでメンテナンスフリーでも問題なく、初心者でも設定などが分かりやすい、といったメリットもあります。

いかがでしょうか? 次回第4回では、ドローンのさらに細かい部分を解説していきたいと思います。次回の更新をご期待ください。

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