知っているようで知らない!? ドローン用語の基礎知識【前編】

ドローンの専門用語はラジコン飛行機やラジコンヘリ経験者ならいざ知らず、初めて触れる人には聞いたことのないものばかりですよね。ただ、ドローンを飛ばす以上、そういった言葉を避けて通ることはできず、正しい内容で覚えておく必要があります。そこで今回は「ドローン用語の基礎知識」と題して、ドローン専門用語の解説をおこなっていきたいと思います。まずは前編として、機体やカメラに関する用語からスタートです!

①リポバッテリー

ドローンの主な動力源となるリポバッテリー。正確にはリチウムポリマーバッテリーといい、ドローンやラジコンの世界では10年前くらいから使われるようになりました。それまでのニッケル水素バッテリーやニッカドバッテリーと比べてパンチ力があり、メモリー効果を起こすこともありませんが、取り扱いに注意しないと、バッテリーが膨らんだり、発火する恐れがあります。充電の際はリポバッテリーに対応した充電器でチャージし、充電中は目を離さないようにしたいところです。

②ESC

ドローンのモーターの回転数を制御するデバイスで、エレクトリックスピードコントローラーの略。また、別名の「アンプ」の名前でもよく呼ばれることがあります。ESCは、モーターとバッテリーの間に取り付けて、電圧によってモーターの回転数を制御する役割を担っており、ESCによっては、ソフトスタートやファイルセーフなど、さまざまなセッティングができるものも発売されています。

③モーター

現在、ドローンで使われているモーターのほとんどはブラシレスモーターとなっており、ドローンのモーターは高回転型のものが多くなっています。②で紹介したESCを介して受信機やバッテリーとつながっており、操縦者が送ったスロットルワークをプロポから受信機へ伝え、それがESCを挟んでモーターにつながり、必要に応じて回転数を上げたり、下げたりして機体をコントロールする。最近では水辺で活躍が期待されるものには防塵防水仕様のものが提供されるなど、モーターの進化も留まることを知らない状況です。

④プロペラ

ドローンではアームの先端に搭載されたモーターに取り付けられており、これが回転することでドローンは揚力を得て浮くことができる。プロペラには長さとネジれが異なるものがあり、それぞれダイアとピッチという呼称で、◯◯のプロペラ、というような呼び方がされる。プロペラは回転することで上下に圧力差が生じることで下から上へ圧力がかかり、それが揚力となって機体が浮くようになります。クワッドコプターなら、対象となるプロペラ同士が逆回転することで、それぞれの反動トルクを打ち消し合って、まっすぐ飛ぶようになります。

⑤ジンバル

カメラと機体をつなぐデバイスで、このジンバルが高性能であればあるほど、美しく自然な空撮が楽しめるようになります、最近の本格的なドローンでは、3軸ジンバルと呼ばれるものが主流となってきており、機体がどんなに傾いても、ジンバルは常に水平を保っており、まるで空を飛んでいる機体から撮影したと思えないような、ブレのない美しい映像を撮影することができます。多くの人に支持されているDJIの「PHANTOM」や「Mavic」シリーズなどはジンバルとカメラが一体化されており、手元の送信機からジンバルを操作して、自分の理想の角度から撮影をおこなうことができます。

⑥チルト

本来は撮影用語で、固定したカメラを上下に動かすことを指します。ドローンの場合、上空でカメラを下向きに操作したり、前向きに戻すことをチルトといい、下向きにすることで、機体の真下の風景を空撮することができます。ジンバルによってチルトできる角度が異なり、90度真下に動くものから30度程度のものまで、可動方法も離陸前に手動で角度を決めるものから、送信機で自在に操作できるものまであります。

⑦パン

こちらも本来は撮影用語で、固定したカメラを左右に動かすことを指します。ドローンの場合ですと、上空でカメラを左右に振る動作のことを指します。ドローンは機体のラダーを打つことで向きを変えることができますが、最近のドローンのカメラは、カメラの周囲に障害物が写り込まない構造のものも多く、機体全体を動かすよりもスムーズでブレも少ないため、カメラをパンして左右の映像を撮影していることも多く見かけます。

⑧プロポ

機体を操縦する送信機のことで、「プロポーショナルシステム」の略で、現代のほとんどはデジタル式のもの。スティックを打った角度によって、機体を動作やモーターの回転数をコントロールでき、上空の機体を自在に動かすことができます。最近のドローンでは機体を動かすだけでなく、ジンバル操作やカメラ設定の変更、シャッターを切るといったことまで手元でできるようになっており、ニーズに合った高性能なプロポが多く登場しています。また、ドローンによってはスマートフォンにインストールしたアプリを使って、スマートフォンで操作が可能な機体もあり、そういった意味位で今後のプロポの進化に注目が集まっています。

⑨受信機

プロポから発せられた電波を受信して、機体の各役割に信号を振り分ける役割を担っています。これまでのラジコンではプロポから機体(受信機)への一方通行でしたが、最近ではプロポと受信機が双方向でやり取りをおこなうようになり、操縦とは別に機体の現在の状況(高度、距離、バッテリー残量など)をリアルタイムで見ることができるテレメトリーシステムも多く使われるようになりました。また、カメラからの画像を地上に伝送するシステムを別系統で持っている機体も多く登場しています。

⑩スキッド

機体が着陸する際に使用するスキッド。固定式のものから、飛行時は上に上げておき、着陸時のみ下に降ろして使用するタイプのものやスキッドそのものを折りたたんでしまうものなどさまざまなタイプがあります。ドローンはカメラが機体の下に付いていることが多く、スキッドなしでは着陸時にカメラやジンバルを損傷してしまう恐れがあるので、地味ながら非常に重要な役割を果たしているパーツになります。

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