注目のドローン専門展示会!「JapanDrone2022」レポート!

さる、6月22日〜24日にかけて、千葉県にある幕張メッセにて日本最大級のドローン専門の展示会「JapanDrone」が開催されました。

昨今、さまざまな産業でドローンの利用が模索される中、今回も多くの機体やサービスが登場しました。特に注目は「大型化」「固定翼」「運搬」が挙げられます。

今回はこの3項目を中心に「JapanDrone」を紹介していきたいと思います。

キーワード①:大型化

今回の「JapanDrone」では大型の機体が数多く展示されていました。動力の進化により機体を大型化できるようになり、それによって活用できるシーンも多くなっているようです。

具体的にはモーターやバッテリーの進化により、重いペイロードを吊り下げることができるようになっただけでなく、さらに効率化されたパワーソースで航続距離も実用に十分なレベルになってきています。

大きな機体を飛ばせるようになると、さまざまな装備(ペイロード)を搭載することができるようになります。物資の運搬ではそれだけ多くの荷物を運ぶことができるようになりますし、レーザースキャナのような特殊なカメラや装備も取り付けることができるようになります。それだけ活用シーンが増えるわけです。また、機体が大型化することで外乱に強くなり、安定度も増すことで信頼性の向上にもつながるでしょう。

「TERRA Dolphin 8000 / TERRA LABO」

翼長8,000mmの超大型固定翼ドローンの「TERRA Dolphin 8000」。ペイロードは驚異の40kgで、航続時間は20時間と凄まじいスペックを誇ります。主に災害発生時の情報収集などを目的に開発されており、これ以外にもひとまわり小さいサイズの機体では垂直離着陸機(VTOL)やジェットエンジン搭載機も展示されていました。

「機体名不明 / GENERAL ATOMICS」

アメリカのGeneral Atomics Aeronautical Systems, Inc.ブースに展示されていた固定翼機。同社は全天候型の固定翼ドローン「SeaGuardian」などで知られる企業で、海上における海難救助や違法行為の取り締まりなど、いわゆる海上保安業務にドローンの導入を進めている。海上保安業務においては複数のレーダーやカメラの搭載が必要なだけでなく、荒天においても安定して長時間の飛行が必要になるため、機体の大型化は必須なものとなります。

キーワード②:固定翼

今年の「JapanDrone」では、さまざまな固定翼ドローンが展示されていたのも特徴的でした。固定翼ドローンは空気抵抗の少なさや効率性の良さから長時間の飛行が可能なだけでなく、ペイロードも大きいことからキーワード1の「大型化」に関しても影響のあるものです。

固定翼ドローンの弱点は離着陸に滑走路が必要となることですが、最近では垂直離着陸機(VTOL)が開発され、その弱点も克服しつつあります。

「W198 / 伊藤忠商事(Wingcopter)」

ドイツのWingcopter社製ドローンを取り扱う伊藤忠商事ブースに展示されていたVTOL機です。前後に合計8つのモーターが搭載されており、そのうち内側の4つがチルト構造になっており、垂直離着陸とホバリングの機能を持っています。主な用途としては物流となっており、3つのボックスを下部に吊り下げることで、一度のフライトで3箇所に荷物を配送することができます。

「飛鳥 改五 / 日本鯨類研究所」

鯨類や水産資源の調査をおこなっている日本鯨類研究所ブースに展示されていた固定翼ドローンが「飛鳥 改五」です。日本鯨類研究所では南極における調査にこの機体を投入する予定とのことです。

極地での調査では、氷に覆われていることで船では十分に陸地に近づけないことがあり、そういったシーンでこの「飛鳥 改五」が活躍します。垂直離着陸機なので調査船の甲板で離着陸が可能となっており、2022年3月の試験飛行では104kmのロングフライトに成功しています。

キーワード③:運搬

物資の運搬は昨今の最もホットなトレンドであり、各社から物資運搬用のドローンが発表されています。最近では機体の大型化や固定翼ドローンにより、多くの物資を搭載できるようになっており、日本各地でさまざまな実証実験が繰り返されています。

「AirTruck / KDDI(ACSL)」

KDDIブースに展示されていたACSL製の量産型物流専用ドローンです。4D GRAVITYと呼ばれる重心制御技術で、荷物の揺れを抑えつつ安定した飛行を実現しています。最大ペイロードは5kg、飛行時間は約50分となっており、4G LTE通信機能で目視外飛行が可能となっています。

「PDH-GS120 / KDDI(PRODRONE)」

こちらもKDDIブースに展示されていた機体で、PRODRONE社が開発したシングルローター機になります。シングルローターならではの高い飛行性能と耐風性能を持ち、さらに2時間の長時間飛行が可能です。機体には2ストローク水平対向2気筒エンジンを搭載しており、荒天時でも飛行ができるため災害発生時の物資運搬などに役立ちそうです。

その他の注目すべきデバイス

「ドローンポート / ブルーイノベーション」

ブルーイノベーションブースに展示されていたドローンポートは、ドローンの稼働状況の確認や運用管理、ポート周辺の安全確認などをリアルタイムでおこなうことが可能とのことです。今後、ドローンが長距離飛行をおこなうようになると、このようなドローンポートを活用した拠点の整備が必要となってくると思われ、航空機のようにハブアンドスポークの物流網が整ってくるのではないでしょうか。

「FMT-05 / 双葉電子工業」

ドローンを操縦するプロポの分野で世界的なシェアを持つ双葉電子工業は、新作プロポ「FMT-05」を発表しました。5.7GHz帯やSUB GHz帯に対応し高い信頼性を確保しつつ、非常にクリアで大きな画面を搭載し、FullHDに対応した高画質で作業の効率性がアップしそうです。

まとめ

今回はドローン専門の展示会「JapanDrone2022」の注目すべきポイントを紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?さまざまな産業で使われるようになってきたドローン。今後も多くの特徴的かつ最新のテクノロジーを搭載したドローンが登場することでしょう。ますます発展著しいドローンの世界から目が離せませんね。