ドローンの最新トレンドを追いかけろ!「国際ドローン展」レポート【前編】

世界中でその活用が注目されているドローン。本ブログでも3月におこなわれたJapanDrone2018の模様を数回に渡ってレポートし、好評いただきましたが、今回は4月18~20日にやはり千葉県の幕張メッセでおこなわれた「第4回国際ドローン展」の内容を厳選してお伝えしていきたいと思います。産業用ドローンの最新トレンドと、日本における産業用ドローンの課題が見えてきた「国際ドローン展」。まずは前編をお届けしたいと思います!

ブース往訪①:ACSL(自律制御システム研究所)

 

日本における自律制御システム研究の第一人者でもある野波健蔵氏率いる「ACSL」。今回は同社のメインプラットフォーム「PF1」のさまざまなバージョンを展示し、注目を集めていました。中でも片道12kmの距離を飛べ、「キャッチャー」と呼ばれる運搬機構を搭載した物流・宅配ソリューションの「PF1-Delivery」や、独自の画像処理技術で自己位置推定技術を使った非GPS環境下での自律飛行を可能とした建物・インフラ点検ソリューション「PF1-Vision」、そして水位と連動したフライトプランで自律飛行する業界初の流量観測専用ドローンとして開発された「PF1-Double」はまさに現在のドローンのトレンドに乗ったプラットフォームであり、今後の活躍が期待されます。

また、ACSLブースには同社が開発を手がけるNJS製管路・閉鎖性空間の点検・調査ドローン「AS400」も展示。下水道管路の中を安定飛行し、FPV飛行と2K撮影を可能にしたこの機体は水上艇のような独特のスタイルをしており、約47万kmにも及ぶ国内の下水道管路調査で力を発揮しそうです。

ブース往訪②:GNAS

 

独自のアプローチで産業用ドローンのソリューションと周辺機器を開発しているGNAS。今回、新たに2機の新作を展示していました。1機は物資輸送用の機体で、シングルローターのもの。高いスピード性能とハイパワーによる耐風性能を実現しており、機体の下部には物資搭載用スペースも用意されています。ペイロードは5kgとなっており、30分の飛行が可能とのこと。緊急時や災害発生時に必要な物資を素早く運ぶことができそうです。そしてもうひとつが多目的用途のマルチコプタータイプの機体です。こちらはなんと可変ピッチ機構を採用しており、安定した飛行と機動性、そして幅広い対応性が自慢の機体で、さまざまなシーンで使うことができそうです。

ブース往訪③:石川エナジーリサーチ

石川エナジーリサーチ社のブースで圧倒的な存在感を示していたのが、ガソリンエンジンで発電したパワーでモーターを回転させるという機構を搭載した「ハイブリッド式ドローン」です。機体中央には元HONDAの社員を中心に開発された水平対向350ccガソリンエンジンが搭載されており、このエンジンが発電したパワーを使って6つのモーターを回転させて飛行します。メリットとしてはやはり圧倒的な飛行時間の長さだろう。60分以上の飛行が可能となっており、農薬散布や測量、物流などさまざまな用途での使用が想定されます。また、搭載しているエンジンは無振動の対向ピストンエンジンとなっており、エンジンを搭載した際の懸念点である振動もクリアしているとのこと。ハイブリッドエンジンは世界的に見ても最新トレンドとして注目されており、今後の開発が気になる機体です。

ブース往訪④:NEC

 

ドローンの運用サービスや画像認識技術を用いてクライアントに合ったソリューションを提供しているNEC。この大手企業が研究開発中として展示していた機体が「ポール型打音検査機」を搭載したインフラ点検用ドローンです。機首部分にポール型打音検査機を搭載し、橋梁やトンネルなどの高所部分を打音点検用のハンマーとマイク、そしてカメラを使って調査することができ、それらのデータはリアルタイムで地上端末で音響データと画像データとして確認できるとのこと。ドローンの飛行制御には、機体の自己位置の推定と障害物検知をするために、橋梁の形状とドローンの位置をレーザーを使って計測することで、前方や上部に橋梁などの床版があっても安全に飛行が可能。高所での点検員の危険な作業をドローンに置き換えることで、安全性の向上や業務効率のアップに貢献してくれそうですね。

さて、次回「後編」では専門領域に特化した機体やちょっと変わり種(?)の機体もご紹介していきます。ご期待ください!

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