ドローンの最新トレンドを追いかけろ!「国際ドローン展」レポート【後編】

今回は、前回に引き続き、4月18~20日にやはり千葉県の幕張メッセでおこなわれた「第4回国際ドローン展」の内容を厳選してお伝えしていきたいと思います。さまざまな領域に特化した機体やとてもユニークな発想のものまで、産業用ドローンのトレンドがきっと見えてくるはずです!

※ブース往訪①~④はコチラをご覧ください!

ブース往訪⑤:エンルート

ご存知、ドローン開発の大手であるエンルート。今回の注目の機体は測量専門機「QC730-TS」と農薬散布機「AC1500」、そして参考出品ながら注目を集めた測量用機「QC730II」でしょう。

「QC730-TS」は、トプコン社製TSトラッキングシステムUASキットを搭載した測量用の機体で、地上に設置する評定点が不要という画期的なシステムを備えています。これにより生産性の向上に大いに貢献しており、i-constructionの一翼を担う機体として注目を集めている存在です。特に画期的なのは地上のトータルステーションとドローンを結ぶ、カメラ横のプリズムアダプター。これにより常に機体のポジションを正確に把握できるということです。

また、この「QC-730-TS」の横には参考展示ながら、やはり測量用の機体として「QC730II」が展示されていました。NEC製のインテリジェントバッテリーを搭載した機体で、取り扱いに優れた次世代の測量用ドローンとして期待が集まっています。

一方、広いエンルートのブースの奥には農薬散布ドローン「AC1500」も展示。こちらは9リットルの農薬を搭載できるだけでなく、オプションで粒剤散布もできる機体となっており、安定した飛行で、圃場の狙ったエリアにしっかりと散布ができるということです。今後、大区画化が進む日本のあちこちの圃場でその勇姿を見ることができそうですね。

ブース往訪⑥:昭和測量ブース

昭和測量ブースに展示されていたドローンには、高性能レーザスキャナと高精度GNSS/IMUシステムが搭載された、上空からの地形・地物計測に特化したUAV用レーザスキャニングシステムを搭載したドローンが展示されていました。さまざまな現場に対応でき、測量や調査、設計業務をサポートするサービスを展開している同社では、このシステムで高密度な地表点群データを取得できるドローンを提供するとしています。

ブース往訪⑦:ジオサーフブース

ジオサーフブースで注目したのは無尾翼タイプのパロット社製ドローン「eBee」。この機体はマルチコプター型ではないながら、事前に決めたフライトプランを元に忠実に飛行し、上空から空撮をおこない、点群データやオルソモザイク、数値地表モデルなどに画像処理をおこなうことができます。カタログスペックで最長飛行時間は約50分と、非常に長い時間飛行が可能で、離陸も機体を3回揺らして空中に手投げするだけ。新しい可能性を秘めたドローンとして注目したい製品でしょう。

ブース往訪⑧:PowerVisionブース

  

ユニークな機体をリリースしているPowerVision。まず注目なのは水中ドローン「PowerRay」でしょう。このドローンは機体に搭載されたフィッシュファインダーというソナーが付いたものを投下して、深度40mまでの海底の様子を観察することができ、それはスマートフォンのアプリを通してヴィジュアルで確認することができます。また、釣り餌投下システムも用意されており、餌を撒いて魚が寄ってきたところを撮影できる画期的なシステムとして注目されています。他にも楕円形の丸っこい「PowerEgg」も面白い機体となっており、アームを格納するとラグビーの球のような形状になるこのドローンは、4KHD対応カメラを搭載し、非常に簡単な操作で驚くほど美しい空撮が楽しめる本格的な機体となっています。

「国際ドローン展」レポートいかがでしたでしょうか?個性的でその領域に特化したドローンが多く登場した今回の展示会。産業用ドローンのトレンドが色濃く反映されたイベントとして、非常に見どころ満載だったような気がします。早く、日本が世界的にドローンで注目される日が来るといいですね。

「国際ドローン展」にも多く出品されていたDJI製ドローンの詳細はコチラ!