農業分野におけるドローンが活躍する未来!

2018年4月19日

現在、さまざまな領域でその活用が模索されている産業用ドローン。まず、その撮影能力を活かしたドローンを使った空撮がビジネスとして立ち上がりましたが、その次に期待されているのは、インフラの検査や点検、土木工事における測量などがありますが、今回は次のドローンの活躍が期待されている領域である農業分野について見ていきたいと思います。

※ヤマハ発動機Webサイトより

農薬散布におけるドローンの活用

現在、農業分野におけるドローンの活用は大きく2つに分けることができます。ひとつは農薬散布、そしてもうひとつは精密農業です。このうち農薬散布については、実は日本においては無人航空機の活用は約30年前から始まっています。といっても、現在のようなマルチコプター型のドローンではなく、大きなシングルローターヘリを使った農薬散布であり、日本ではヤマハ製やヤンマー製の機体を使った農薬散布が長年おこなわれており、オペレーターの育成やネットワークもできており、毎年春から夏にかけて、日本各地で大型のシングルローターヘリを使って農薬散布がおこなわれます。

これらのシングルローターヘリは、いわゆるマルチコプター型のドローンと比較すると、燃費に優れ長時間に飛行ができ、ペイロードの点でもドローンより多くの農薬を搭載できるので、一度の飛行で多くの圃場に農薬を散布することができます。例えばヤマハ製の最新機「FAZER R」では32リットルの農薬を搭載できますが、DJIの農薬散布ドローン「AGRAS MG-1」では10リットルとなります。一度に多くの農薬を散布できるという効率面からすると大型のシングルローターヘリに軍配が上がるかおしれません。

農業用ドローンのメリットは?

しかし、農薬散布ドローンにはシングルローターヘリに劣らない魅力があるのも事実です。まず、ドローンに活用されている飛行制御システムにより、非常に正確なフライがおこなえます。農薬の散布はその正確さが重要で、余計な場所に散布することは絶対に避けねばなりません。また、前述したDJIの「AGRAS MG-1」などは前方と後方、そして下部にマイクロ波レーダーを搭載。このレーダーで地形の変化を読み取り、常に地形(農作物)から一定の高度から散布することができます。これにより、オペレーターの経験やカンで散布していたものから、数値を計測してそれに基づいた散布飛行へと移行されていくでしょう。こういった正確さはマルチコプター型の機体に一日の長があるのではないでしょうか。

注目を集めるドローンを使った精密農業

そしてもうひとつが精密農業です。今後、農業の担い手が少なくなり、大区画化が始まるとされる農業において、ドローンで測量したビッグデータを活用した農業は大きな注目を集めています。例えば農作物の成長具合をセンシング技術と特殊カメラで測定し、それに応じてドローンで農薬の散布量を調整することで、農作物の質を一定にすることができるとしています。これにより品質が安定するだけでなく、収穫量も安定し、農業における効率化や大区画化への対応が可能というわけです。日本の圃場にドローンが多く飛び交うシーンを多く見かける時代も、実はすぐそこまで来ているようですね。