進化を続けるドローンの新しいパワーソースとは?

2025年6月29日

近年、ますます進化を続けるドローン。空撮だけでなく、さまざまな産業用途で使われるようになり、利用シーンに特化した多くの機体が開発されています。

そんな産業用途で活用が進むドローンですが、いつも課題となるのが飛行時間です。現在のドローンはそのほとんどがリポバッテリーで飛行しますが、コンシューマー機で最長の飛行時間でも50分台と、以前に比べれば非常に長時間の飛行ができるようになりましたが、それでも産業用途で使う場合は、長ければ長いほど作業の効率性が上がり、現場で使うことができるソリューションとなります。

最近では、そんなドローンのリポバッテリーに代わるパワーソースとして、さまざまな方法が登場しています。今回はそんなドローンの次世代パワーソースについて紹介していきたいと思います。

①発電機+リポバッテリーのハイブリッド

ドローン業界で多く見かけるようになったのが、機体に発電機を搭載し、機体内部で発電した電力でリポバッテリーを充電して飛行時間を延長する、いわゆるハイブリッドタイプのドローンです。

模型用エンジンで有名な小川精機は「GT33REU レンジエクステンダー」というドローン搭載型発電機をリリースしています。この製品は、ドロ—ンの飛行時間延長のために開発された動力電源供給用発電機で、セルスターター (発電機一体型)を標準装備し、エンジンとスターター&発電機を一体化設計することにより軽量化を実現しています。

小川精機ではこの「GT33REU レンジエクステンダー」を搭載したドローンの実証実験で、11時間の連続飛行に成功しています。また、アミューズワンセルフ社製のハイブリッドドローン「GLOW.H Rev.2.0」は、「GT33REU レンジエクステンダー」と内臓の6セル4150mAHリポバッテリーの組み合わせで、搭載物なしで約4時間、3kgの搭載物で約2時間の飛行を実現しており、従来のバッテリー式ドローンよりもかなりの飛行延長に成功しています。「GT33REU レンジエクステンダー」はさらに並列運転機能を搭載した「GT33REU レンジエクステンダー TWIN」も開発されています。

②ガスタービン発電機

6月に開催された「JapanDrone2025」において、ひときわ目を引いたのが、同じハイブリッド式でもガスタービンによる発電をおこなう製品です。これは、HIEN AERO TECHNOLOGIESブースに展示されていた、ハイブリッドドローン用ガスタービン発電機「DRAGON」は、ラインナップによって発電量が4〜10kWを誇り、ここで生成された電力はESCを介して直接モーターに伝えられ推進力になるほか、内蔵のバッテリーの充電にも活用することができます。

ガスタービンを採用するメリットは機体の大型化を図ることが可能なこと。ガスタービンは他の発電方法に比べ、効率的な作動流体処理によって高い出力と効率を実現し、大型航空機向けの電力システムの開発が可能です。HIEN AERO TECHNOLOGIES社では、これらのガスタービン発電機を搭載したハイブリッドなeVTOL機を開発しているとのことで、今後の展開が非常に楽しみです。

③ドローン用エンジン

一方、ハイブリッド式ではなく、純粋にエンジンでドローンを飛ばす方法もあります。先ほどの「GT33REU レンジエクステンダー」を開発している小川精機では、ドローン用のエンジンとしていくつものエンジンをリリースしています。

その中でも最大のものが「GT120THU」です。このエンジンは、120cc水平対向2気筒のUAV用エンジンで、200W型の発電機とスターターを搭載。エンジンの課題である振動については、低振動の水平対向エンジン方式を採用し、UAV本体だけでなく搭載する機器に対し振動の面で有利になっています。また、キャブレター、発電機、スターター等の各種補機をUAV搭載に最適な位置にレイアウトするなど、模型用エンジン開発で培ってきたノウハウが詰まっているエンジンとなっています。

エンジンの良さはその圧倒的な燃費の良さです。トルクもあり、大きなプロペラを回すことも可能で、ある目的に特化した形のドローン、特に固定翼タイプの機体で、優れた機能を発揮することでしょう。

④水素燃料電池

最近では水素燃料電池を使ったドローンの開発も進んでいます。「JapanDrone2025」において、RoboDEXブースに展示されていたのは、水素燃料電池を搭載したドローン「aigis one」でした。この機体は、搭載された高圧水素容器から水素を供給し、燃料電池を使って飛行するもので、通常のバッテリー型ドローンと比べて飛行時間が長く、環境への配慮も優れています。

機体にはアルミとカーボン製の4.7L水素容器を搭載。水素燃料電池はPEMFC方式2400wで、最大飛行時間が80〜120分となっています。水素燃料を使うための許認可や、水素取り扱いのレクチャーも同社でおこなってくれるとのこと。

最近は自動車やバスなどでも水素燃料を使ったハイブリッド式の車両が出ていますが、ドローンでも水素燃料を使った機体が広がっていくかもしれませんね。

⑤まとめ

今回はドローンにおけるリポバッテリーに代わるパワーソースについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

産業用途において求められるスペックの中に、必ず入ってくるのが飛行時間です。現場において優れた機能を持っていてもすぐに飛行時間の限界が来てしまうようでは、その性能をフルに活用できません。そういった意味でドローンが活躍する条件として、長時間飛行は必須です。これらの技術がさらに洗練されて、多くの機体に搭載されてくることを期待したいですね。