産業用ドローンの注目株!測量用ドローン最新事情

2020年2月29日

今年も3月に通算5回目となるドローン専門の展示会「JapanDrone」が幕張メッセで開催されますが、その規模は年々大きくなっており、さまざまなプレイヤーがドローン業界に進出してきています。

そんな産業用ドローンの世界でも、特に注目を集めているのが測量領域におけるドローンの活用です。国土交通省によるi-Constructionの推進もあり、この領域には次々と新しい機体やテクノロジー、アプリケーションが投入されてきています。そこで今回はそんな測量領域におけるドローンの活用を紹介していきたいと思います。

ドローンによる測量のメリット

従来の人間の手による測量を比較して、ドローンによる測量はどのようなメリットがあるのでしょうか?

まずは圧倒的に効率よくコスト安でできるところです。すべてが平野で遮蔽物がないならばいざ知らず、日本の国土は山間部が多く、そういった地域で測量をおこなうのは非常に困難とリスクが伴います。そんな地域でも、ドローンならば飛んでいってすぐに上空から撮影することが可能です。従来はそういった地域は軽飛行機を活用して上空から空撮をおこなっていましたが、高度が高くその精度が問われるものでした。しかし、ドローンならば低高度から撮影でき、カメラも高性能なものとなっていますので、その精度には非常に高いものがあります。しかも、飛行機を飛ばすよりもコストが安いのは明らか。天候に左右されることが少ないのもメリットです。

また、従来は地上に評定点を多く設置してひとつひとつ手作業でおこなっていましたが、ドローンによる空撮では近年のテクノロジーの進化に伴い評定点の設置を省くことができる方法が開発されるなど、圧倒的な効率化が図られています。

さらに、ドローンで撮影すると簡単に3Dデータを生成することができるのもメリットです。その後、生成された3DデータはICT建機に投入し、土木施工に活用するなど、i-Constructionにおいて中心的な役割を担います。そのスタート地点としてドローンによる空撮は非常に重要なものとなっています。

他にも大きなメリットとして、急斜面や山間部での測量をドローンに任せることができるようになったことで、人名に関わるような事故を低減することができるようになったのも見逃せないポイントでしょう。

ドローン測量における新しいテクノロジー

測量領域においてドローンの有効性が分かると、さまざまなテクノロジーがドローンに投入されるようになってきました。まずは、前述した評定点が不要となる技術です。これは、機体に搭載されたカメラの先端にプリズムを搭載し、地上のステーションからそのプリズムの位置を常に追いかけることで、自機の位置を特定できる技術です。これにより、測量前の評定点を設置する手間が省け、大幅な時間の短縮につながっています。

また、ドローンのペイロードがアップしたことで大型のレーザースキャナーを機体に搭載できるようになり、レーザー測量がドローンでも可能になりました。これにより、樹木が多く生えている森林のような場所でもレーザー測量によって効率的におこなうことができます。重い装置を搭載しても機体の性能がアップしたことで飛行時間はどんどん伸びており、測量現場でも十分に活用できる性能を持つようになりました。

さらにドローン界の雄であるDJIは2019年に測量用ドローンとして、機体にRTKシステムを内蔵した「Phantom4 RTK」をリリースしました。これは信頼性の高い名機「Phantom4」にRTKシステムを搭載し、cm単位で自分の位置を特定しながら撮影を可能にするもので、圧倒的な効率の良さと運用コストの削減が見込める機体として、登場以来熱い視線を集めています。

まとめ

日本において、産業用ドローンの注目領域として必ず挙がるのが測量分野です。農業やインフラ点検、災害対策など、空撮以外でもドローンの活用が進む分野は多くありますが、特の測量分野におけるドローンの活躍は凄まじいものがあり、世界的に注目されるマーケットとなっています。今後はi-Constructionが日本中に広まり、あらゆる土木施工においてドローンを使った測量で得た3Dデータでおこなわれるようになったら、さらにドローンを使った測量は脚光を浴びるのではないでしょうか。新しいテクノロジーを駆使した、近未来の測量がどのようなものか、今から期待したいですね。