知っているようで知らない!? ドローン用語の基礎知識【後編】

ドローンの専門用語はラジコン飛行機やラジコンヘリ経験者ならいざ知らず、初めて触れる人には聞いたことのないものばかりですよね。ただ、ドローンを飛ばす以上、そういった言葉を避けて通ることはできず、正しい内容で覚えておく必要があります。そこで今回は「ドローン用語の基礎知識」と題して、ドローン専門用語の解説をおこなっていきたいと思います。後編はドローンならではの用語が満載です。

①「FPV」

First Person Viewの略で、日本語に直すと一人称視点ということになる。ドローンでは機体に搭載されたカメラから伝送されてきた映像を手元のディスプレイやゴーグルで見ながら機体を飛ばすことを「FPVフライト」といい、機体を視認せず完全なFPVフライトをおこなうには事前に飛行許可が必要です。FPVフライトをおこなう際の注意点としては、機体周囲の状況がわからないので、完全なFPVでの飛行をする際は、2マン体制で臨み、ひとりがFPVでの映像を見ながら撮影をおこない、もうひとりが機体の操縦を視認しながらおこなうといった形が理想となります。最近ではトイラジでもFPV機能をもったものがあり、機体からの映像をWi-Fiでつなげたスマートフォンに伝送し、インストールしたアプリで見ることができるものも多くあります。ただし、トイラジでもFPVの映像だけでは周囲の状況がわからないのは同じなので、十分に安全に配慮する必要があります。

②「ヘッドロックモード」

最近のドローンは本格的なものからトイラジまでさまざまなフライトモードが搭載されています。その中のひとつがヘッドロックモードと呼ばれるもので、これは機首がどちらを向いていても、操縦方法は普段と変わらないというもの。機首が前を向いていようが、横を向いていようが、操縦は普段通り、エレベーターのダウンを打てば前進し、エルロンを打てば左右に移動し、ラダーを打てばその方向に旋回するようになります。これは初心者に分かりやすいというだけでなく、1マンでの空撮時に機体をコントロールしながら撮影しやすいというメリットもあります。状況に応じてうまく使い分けてもらいたいモードです。

③「自動離着陸」

本格的な機体からトイラジまで、最近では自動離着陸機能を搭載した機体が多く存在します。これらの機体には気圧センサーが搭載されており、自分が地上からどのくらいの位置にいるのか把握できているだけでなく、下向きのセンサーにより、地上との距離を計測しながら、まるでベテランのRCフライヤーのようにスムーズな離着陸を見せてくれます。固定ピッチ機が多いドローンは、モーターの回転数を下げながら着陸したり、十分な回転数がない中で離陸するシーンがあるので、実は離着陸が難しい機体もあります。不安定な中、離着陸するのは初心者には怖いものでしょう。そういった時にこの自動離着陸機能を使うことで、安心して飛行させることができるのではないでしょうか。

④「航空法」

 

このブログでも何度か紹介している航空法。それまで法律の縛りがなかったRC飛行機やRCヘリ、そしてドローンですが、2015年に発生したドローンの首相官邸落下事件を契機に、同年の12月に航空法が改正され、200g以上の無人航空機は航空法の対象に入ることになりました。航空法では「飛ばしてよい場所といけない場所」と「事前の承認が必要な飛ばし方」を明確にしており、人口集中地区や空港周辺、重要な拠点周辺、そして150m以上の空域での飛行を禁止するとともに、機体から物を落としたり、夜間にフライトをおこなったりすることを禁止しています。もちろん100%禁止というわけではなく、事前に東京と大阪の航空局に申請して許可を得ることで、飛ばすことができるようになります。飛行に関して厳しくなった反面、していいことといけないことが明確になったことで、よりビジネスシーンでのドローンの活用が進むようになったのも事実です。

⑤2マンオペレーション

読んで字のごとく、2人でドローンを飛ばすことを指します。具体的には空撮の現場などで、ひとりが機体の操縦をおこない、もうひとりがカメラ(ジンバル)の操作をおこなうことが多いです。これは本格的な空撮現場の際に、機体の操縦をおこないながら同時にカメラワークをおこなうのが難しいため、それぞれで役割を分担し、美しい空撮をおこなうもの。この際、カメラからの映像はカメラ担当が見ているので、操縦担当は機体にもうひとつ搭載されたFPVカメラからの映像を頼りに操縦します。このFPVカメラは操縦に役立つだけでなく、通常のカメラがジンバルに付いているのでまったくブレがなく、機体が上空で暴れていても安定した映像になってしまうのに対して、FPVカメラは固定されているので機体の揺れや不安定さをすぐに把握できるという利点もあります。

いかがでしたでしょうか?ドローンは数多くの専門用語が飛び交うものでもありますので、そういったワードをしっかりと覚えて安全で快適なフライトができるといいですね。当ブログでは今後も「ドローン用語の基礎知識」を連載のひとつとして紹介していきたいと思います。

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