これだけは覚えて置きたい！リポバッテリー10の基礎知識
多くのドローンが毎日日本の空を飛ぶようになって久しい昨今。その数だけ、ドローンに搭載されているリポバッテリーも増えていることになります。現在飛んでいるドローンのほとんどが動力源としているリポバッテリー。今回はそんなリポバッテリーの充電時の基礎を学んでいきたいと思います。
基礎知識①：リポバッテリーの表記の見方
リポバッテリーは表面にそのリポバッテリーのさまざまな情報が記載されている。セル数、電圧、容量、放電能力といった数値が主なものとなります。「3-cell」のような表記があれば3セルのリポバッテリーで、リポバッテリーは1セルが3.7Vなので、3セルならば11.1Vとなります。また、容量は「2000mAh」のように表記されており、これがリポバッテリーの容量を表しています。また、「30C」にように記載があれば、それはそのリポバッテリーの放電能力を指し、この数値が大きければ大きいほど高い放電能力を持つこととなります。
基礎知識②：リポバッテリーの保管の仕方
リポバッテリーは衝撃に弱く、またあまりに寒かったり、暑かったりするところにそのまま置いておいてはいけません。リポバッテリーはちょっとした衝撃でも発火する可能性がありますので、必ず耐火性＋防水性に優れた入れ物で保管する必要があります。その際はリポバッテリーとリポバッテリーのコネクター同士が触れ合ってショートしないように必ずキャップを付けておくようにしましょう。
基礎知識③：リポバッテリーの不具合の見分け方
リポバッテリーの内部が壊れると、リポバッテリー全体がおもちのように膨らんできます。膨らんでしまったリポバッテリーは絶対に使ってはいけません。内部で不具合が起こっており、そのまま膨らむと今度は発火の危険性があります。また、充電しているのに満充電にならなかったり、飛ばしていていつものパワーが出ないようなことがありましたら、それらも不具合を見分けるポイントです。おかしいな、と思ったら絶対に使わないようにしましょう。
基礎知識④：リポバッテリー充電時は目を離さない
リポバッテリーを充電する際は、充電を開始してから放っぽりぱなしにしないようにしましょう。リポバッテリーの事故の7割は充電時に発生しているといいます。何かあった際にすぐに充電を中止できるよう、充電しながら出かけたりせず、常にスタンバイしておくようにしましょう。
基礎知識⑤：リポバッテリーの充電は1C充電が基本
充電器を使ってリポバッテリーを充電する際は、あまり多くの電流を流さないようにします。基本は1C充電となり、例えば容量が1500mAhのリポバッテリーの場合、流す電流は1.5Aとなります。高い電流で一気に早く充電を完了させたいのは分かりますが、あまり大電流を流すと危険なので、必ず1C充電を守るようにしましょう。
基礎知識⑥：ストレージモードを活用して保管する
基礎知識②のところでも触れましたが、リポバッテリーの充電は十分に注意しなければなりません。そんな時、忘れてしまいがちなのがリポバッテリーを充電パンパンの状態で保管してしまうこと。これは非常に危険ですので、必ず充電器のストレージモードを使ってリポバッテリーの電圧を下げてやる必要があります。通常は約60%まで落として保管するのがベストです。
基礎知識⑦：リポバッテリーは使い切らない
長時間飛行したい気持ちは分かりますが、リポバッテリーは決して最後まで容量を使い切ってはいけません。必ず容量の20〜30%を残して機体を着陸させるようにしましょう。フライトは常にギリギリではなく、安全なマージンを持って降ろすよう心がけましょう。
基礎知識⑧：寒い日は温めてから使用する
リポバッテリーは気温が低い日はバッテリー自身が冷え切ってしまい活性化せず、本来の性能を出せないことが多くあります。冬場なのに使う場合は、暖かい場所（車内など）で冷たくならないようにするか、リポバッテリーを入れるバッグが発売されているのでこれを活用するようにしましょう。本来のパワーが出ないと、飛行に支障をきたす場合がありますので注意が必要です。ただし、リポバッテリーを直接お湯で温めたりするのは厳禁。あくまで暖かい場所で保管する、に留めましょう。
基礎知識⑨：リポバッテリーの破棄について
膨らんでしまったリポバッテリーは使用せず、破棄するようにしましょう。まずは不具合が生じたリポバッテリーをバケツの中で塩水に浸けます。するとリポバッテリーからブクブクと泡が出てきます。これが出なくなるまで浸しておき、すべて出しつくしたら各自治体の決められたルールに則って廃棄します。ルールは各自治体によって異なりますので、必ずご確認ください。
基礎知識⑩：ハイボルテージリポバッテリー
リポバッテリーの1セルあたりの電圧は3.7Vですが、ここ数年で電圧が高くパワーのあるハイボルテージリポバッテリーが登場しています。このリポバッテリーは、1セルあたりが3.8Vとなっておりますので、3セルですと11.4Vになります。このハイボルテージリポバッテリーを使う際は、ハイボルテージに対応した充電器が必要となります。最近ではLi-HVといった表記でハイボルテージリポバッテリー専用の充電モードが用意されていることも多いですので、充電器を購入するタイミングで調べてみると良いでしょう。