今こそ知っておきたいDroneホットワード10!

毎日のように新しい情報が飛び込み、革新的な技術が出てくるドローンの世界。そんなドローンの世界には、ドローンならではの専門用語や最新のテクノロジー用語が出てきています。初めてドローンに触れる人にとっては何がなんだかわからない、しかし誰にも聞けない、といったことも多くあることでしょう。そこで今回は2018年のドローンホットワードを10個ピックアップ。それぞれわかりやすく解説していきたいと思います。

①「RTK」

RTKとは「リアルタイムキネマティック」の略で、ドローンに搭載されたGPSデータと、その周囲の電子基準点の観測データによって作成された補正データを組み合わせることで、その名の通りリアルタイムにcmクラスの測量がおこなえる仕組みです。この手法のメリットは、測量する現場に基地局を置かなくてすむため、非常に効率が上がっている点とリアルタイムという点にあります。また、GPSでは数m出てしまうと言われる誤差がcmクラスまで精度が高まりますので、これも大きなポイントでしょう。

この仕組みをドローンに搭載した機体が昨今増えてきており、直近ではDJIから「Phantom4 RTK」が発表されました。これはドローンが通常のGPSを使うよりも、遥かに精度の高い自己位置測位が可能となり、より正確に上空から撮影をおこなうことができます。

ドローンによる測量が本格化する中、より精度の高い測量を効率的におこなえる仕組みとしてRTKは大きな注目を集めています。

②「水中ドローン」

読んで字のごとく、水中を進むドローンです。最近のドローン展示会に多く出品されるようになった注目の領域で、中型の機体が海上から有線ケーブルで結ばれ、モーターの駆動でプロペラが回転し、水中を進みながら機首に搭載されたカメラで水中(海中)の様子を撮影することができます。また、水中は深度によっては太陽の光が届きにくいため、機首にライトが付いていて照射しながら進むことができる機体も開発されています。主な用途としては、水中の撮影のほか、漁業での活用、さらに水難救助のサポートをおこなったりする機体の開発も想定されているようです。

③「Mavic 2」

DJIが2018年に発売した注目作「Mavic 2」。発売から約4ヶ月経ちましたが、当初の2機種だけでなく、産業用の「Mavic 2 Enterprise」が発表されるなど、未だにさまざまな反響を呼んでいる意欲作です。

この「Mavic 2」は2017年にDJIが買収したカメラメーカー、ハッセルブラッドと協働で開発した1インチCMOSセンサー搭載の20MPカメラを搭載した「Mavic 2 Pro」と、光学ズームが可能なカメラを搭載した「Mavic 2 Zoom」、そしてさまざまなアイテムを搭載することで産業用として活用が期待される「Mavic 2 Enterprise」がラインナップされています。ともに機体には全方位障害物回避機能が付いており、前後左右上下に搭載されたセンサーによって、障害物を自動で回避しながら飛行でき、より安全で快適な飛行ができるようになっています。また、「Mavic」シリーズの特徴である折りたたみが可能な機体構造も引き継がれており、どこへでも気軽に持っていくことができ、出先で出会った素晴らしい景色を簡単に空撮することができます。

小型機とは思えない、多機能さと本格機以上のスペックは空撮用ドローンの理想形ともいえるもの。2018年1番の注目機といっても過言ではないでしょう。

④「ハイブリッド駆動式ドローン」

産業用ドローンの世界において、機体の飛行時間は非常に重要な要素です。これまで人間や他の方法でおこなっていた作業をドローンに置き換えようとした時、性能は同じでもすぐに活動を停止してしまうようでは使い物になりません。ドローンはその点をエネルギー源であるリポバッテリーに依存しています。リポバッテリーもテクノロジーの進化に伴って次々と高性能、高容量なものが出てきましたが、まだまだ十分な飛行時間を実現しているとはいえません。そこで海外で出てきたのが、小型のエンジンを搭載したドローンです。燃費がよくトルクフルなエンジンを使って、現在のドローンの弱点である飛行時間をカバーする狙いで、実際に欧米ではいくつかのメーカーから実機が飛行しているようです。しかし、エンジンにも弱点があります。ひとつは振動、そしてもうひとつは多発機という構造からくる調整の難しさです。

それらを補うために開発されたのがハイブリッド駆動式ドローンです。これは、機体に搭載されたエンジンでモーターを発電するというもの。自動車の世界では実用化されている技術だが、これによってリポバッテリーだけの電動式と比べて飛行時間が2〜3倍以上伸ばせる可能性があるとのこと。飛行時間が長ければ長いほど、さまざまな領域でドローンが活躍できるようになる可能性が広がるため、こういった機体にも大きな注目が集まっています。

⑤「F3U」

FAIで定められた競技規定(スポーティングコード)に基づいた、2016年に新しく設置された競技です。いわゆるドローンを使ったドローンレースのことを指し、世界で統一されたレギュレーションのもと、ドローンレースのワールドカップが2018年から開催されるようになりました。第1回は今年韓国で開催され、その華やかさと続出するスリリングシーンに病みつきになる人も多く、大きな注目を集めた大会となりました。F3A(RC飛行機)やF3C(RCヘリ)のように、今後、日本でもF3Uでのレギュレーションに沿った大会が多くなっていくでしょう。機体は軸間が330mm以下、リポバッテリーの電圧が4セル以下、重量が1kg以下と定められており、今後はこのレギュレーションがメインとなっていくものと思われます。

⑥「ドローンハイウェイ」

当ブログでも以前に紹介した「ドローンハイウェイ」。東京電力と地図作成の最大手ゼンリンが共同で開発している仕組みで、主に関東地区を中心に張り巡らされた東京電力の送電網などを目印にして、ゼンリンの3次元地図データと組み合わせることで、ドローンが進む道しるべを作るというものです。ドローンはあらかじめ飛行を申請しておき、東京電力のインフラ網に沿って飛行。途中にはリポバッテリーの充電や交換が可能な施設も用意され、長距離のフライトもできる仕組みとなっています。主にドローンを使った物流を円滑におこなう目的で検討されており、2018年には楽天の楽天ドローンを使って東京電力の送電網に沿った完全自律での実証実験に成功するなど、今後の動きに注目すべきプロジェクトといえるでしょう。

⑦「UTM」

※JUTM(日本無人機運行管理コンソーシアム)Webサイトより抜粋。

ドローンが多く飛行するようになる近い将来において、ドローン同士の接触事故やドローンと実機の接触などが懸念される中、UTMと呼ばれるシステムの開発が各国で急がれています。これは実機の航空管制に似た仕組みで、周囲を飛行しているドローンを判別できるようにし、近づかない、または近づかせないようにして接触事故を防ぎ、すべてのドローンを見える化して、安全な空の環境を構築するためのものです。

UTMにもいくつかのレイヤーがあり、アメリカのNASAが開発に携わっているような地球規模のものから、自分が飛行する飛行エリア周辺に情報を発信するもの、そして機体自身が情報を発信して周囲に警戒を呼びかけるものなど、現在、開発されているものはさまざまなです。ただ、今後世界各国で何万という機体が飛行することを考えるとUTMの仕組みは必須のものであり、航空機との共存という意味でも非常に重要なものとなってくるでしょう。

⑧「ACSL」

日本における自律制御の第一人者である野波健蔵氏率いる株式会社自律制御システム研究所、通称ACSL。日本でも国産ドローンメーカーの老舗に数えられるこの企業がなぜいま注目かというと、2018年12月21日に東証マザーズに上場するというニュースが発表されたからです。日本におけるドローンスタートアップは数多くありますが、これまで上場を果たした企業はなく、これが初のケースとなります。

有価証券報告書を見ると、ACSL社の2018年3月期における売上高は3億7018万円、経常損失が4億5415万円、当期純損失が4億6041万円となっており、株式の保有比率は、東京大学エッジキャピタルが19.93%で筆頭株主、続いてCEOの野波氏が14.23%、以前から出資している楽天が12.81%を所有しています。ドローンメーカーは現在は開発費用に先行投資する期間となっており、上場によって資金調達の方法を増やすことで財務体勢を盤石なものにしつつ、知名度を上げることでさらに優秀な人材確保を目指すものと思われます。

⑨「災害対策」

2018年、日本は多くの自然災害の被害にあいました。台風や地震によって多くの尊い命が失われる中、ドローンを活用した災害対策の有用性が注目を集めています。

ドローンの強みは人間が近づけない場所へ安全に行けることです。そのため、自然災害が発生した際の初動として、現場の状況把握をできるだけでなく、道が寸断されて孤立している地域への物資や通信手段の運搬、さらには遭難者の救助といったシーンで、ドローンの可能性が注目されています。

最近では地方自治体でも独自でドローンを運用したり、ドローンを運用できる地元企業と提携したりする動きが活発化してきております。最近では自然災害もその規模が年々大きくなってきており、来るべき災害に備え、ドローンの配備が進むことを期待します。

⑩「ドローンステーション」

ドローンステーションは2018年10月にサイト全体をリニューアルし、スマートフォン対応を進め、よりユーザーにわかりやすく、目的の製品を見つけやすいデザインに変更しました。また、商品ラインナップもさらに拡大しており、安心してお買い物ができるドローンとラジコンの通販サイトとして、今後も皆さまのドローンライフを支えていきます。

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また、2018年3月にリニューアルした当ブログもおかげさまで毎日多くの方々に閲覧いただいております。ますます充実した内容にすることで、1人でも多くの方にドローンのみ威力を知ってもらえるようにしたいと思います。引き続きご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。