産業用ドローンの次に来るビジネスチャンスはこれだ!

ドローンがプライベートやアマチュア的な使い方ではなく、ビジネスの便利なツールとして使われるようになって数年が経ちます。ドローンを使った空撮から始まり、あらゆる領域でドローンの活用ができないか模索され、あちこちの特区で実証実験が繰り返されています。そこで今回はビジネスドローンの活躍が期待されているいくつかの領域を紹介していきたいと思います。

①精密農業分野ドローン

日本を支える農業ですが、人口減少や地方の過疎化もあり、その担い手がどんどん減っているのが現状です。また、今後、農家さんがやっていくには大区画化が必要とされており、農業における効率化、省力化は必須の状態となっています。ドローンで農業と聞くと農薬散布が思い浮かぶと思います。農薬散布は既に専用の機体が開発され、日本各地でドローンの活用が始まっています。しかし、ドローンは農薬散布だけでなく、精密農業と呼ばれる領域でもその活用が模索されているのです。一例を挙げると、ドローンに高性能なセンシング技術を使ったカメラを搭載し、圃場の農作物の葉力測定や農作物の自力、窒素吸引量を測定。このデータを元に追肥の量を自力や成長度合いを見ながら決めることで、農作物のクオリティが一定に担保されるといいます。これによりひとつの圃場から採れる農作物の量をアップさせることができ、効率の良い経営が可能となるとのことです。

②水中ドローン

ドローン=無人航空機とした場合にこれをドローンと呼んでよいのか気になりますが少し前から「水中ドローン」の開発が非常に盛んになってきました。これまで水中(特に海)については、その探査となると本格的なロボットを投入して多額の費用をかけるか、潜水士にお願いするしかなかったのですが、潜水士の場合は深く潜ることはできず、実は手付かずの領域となっていました。しかし、近年の空で活躍する無人航空機のノウハウを使い、さらに独自の技術を駆使することで「水中ドローン」と呼ばれるものが存在感を示してきました。これらはROVとも呼ばれ、地上からケーブルでつながっているものが多く、船体に内蔵されたカメラで動画撮影ができるだけでなく、その映像を地上へ伝送してリアルタイムで確認することができるものもあります。最新のものでは水深300mまでいけるものも開発されており、流れの速いところでも搭載されているセンサーによって、船体は常に安定した姿勢を保てます。これにより水中インフラのチェックや漁業における漁礁の確認などにその実力を発揮してくれるのではないでしょうか。

③下水道管ドローン

ドローンの最大の特徴は「人間が行けないところへ行ける」というものだと思います。そういった意味でこの組み合わせもドローンの特性を最大限活かしたものかもしれません。町の地面の下に埋め込まれている下水道管。普段はまったくその存在を意識しないものですが、そのうちの約3%は既に50年以上経過したもので、老朽化した下水道管が原因道路の陥没事故も年々増加傾向にあると言います。しかし、下水道管の検査は人体に有害な影響を及ぼすガスが発生したり、ゲリラ豪雨による突然の氾濫など作業員がおこなうにはリスクが高い部分もあるそうです。そこでドローンを使ったインフラ検査の発展版として期待されているのが、ドローンを下水道管の中に入れて映像から内部の状況を把握するものです。下水道管は地下に埋められているため、この検査を実現するためには、当然GPSなしでも安定した飛行が可能な機体の開発が必要となります。また、下水道管内は水気が多いため、これに対応する機体でなければなりません。しかし、従来の方法で作業員がおこなうより安全で効率的とのことで、今後いろいろな都市でドローンを使った検査が採用されるかもしれません。

このように従来方法をドローンに置き換えて効率化を図ったり、ドローンで得たビッグデータを活用したビジネスは大きな注目を集めており、今後、さまざまな領域でのドローンの活躍が非常に楽しみですね。